『Eight Days a Week』鑑賞

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years DVD スタンダード・エディション

ポール・マッカートニー,リンゴ・スター,ジョージ・ハリスン,ジョン・レノン/KADOKAWA / 角川書店

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1962〜66年頃のビートルズの姿を、現存する映像から描き出したドキュメンタリー映画。当時のライブの映像から、後年になってからのメンバーや関係者へのインタビュー映像なども交え、彼らの「本気」にかなり近いところまでアプローチすることに成功しています。

静かなものから激しいものまでバラエティーに富んだメロディーにのせ、シンプルながら意味の深い歌詞が曲となって流れる。そして彼らの演奏する姿を観に、今までの音楽のコンサートでは考えられないほどの膨大な数の人々が会場に文字通り押し寄せる。熱狂、熱狂、また熱狂。警備の人数を増やしても、警官隊の出動を要請しても、ほとんど何の効果もない。このムーヴメントの解消のために、ひとまずは「ハコ」を大きくする方向に向かうこととなります。すなわち、普通のコンサートホールではなく、野球場などの「スタジアム」を会場とするのです。

今でこそ、ポッと出のアイドルとかいう連中までが当たり前のように行う「ドームツアー」なんてな催しを初めて「行わざるを得なかった」のがビートルズだったのですね。ネット配信などはもちろんなく、レコードですら普及の途上だった当時における彼らの人気は空前絶後、今の言葉で言えばレジェンドとでも言いましょうか。音楽の教科書にまでその名前が載ってしまうというのがよくわかる光景が次々と映し出されます。

そしてこの作品はやがて訪れるであろう、解散の日をにおわすようなカタチで終わっています。それこそ1週間に8日も働き詰めに働く、という日々がデビュー以来続いていた彼らは次第にマスコミの前でも不機嫌さを隠さなくなります。一部のメディアとは険悪な雰囲気になっていたし、デビュー当時の勢いからすればやや勢いに欠ける(とはいえ、それでもすべての作品が「ヒット」したと言える状態なのですがね…)セールスも、メンバー個々の音楽性の違いってやつも影響していたんでしょうね。メンバー間の亀裂を決定的なものにしたと言われている、ジョンのオノ・ヨーコへの過剰なまでの肩入れに関してのタネもこの時期に蒔かれていたのかもしれません。

ビートルズが音楽を、そして社会をどのように変えたのかが具体的に描かれていた、なかなか興味深い作品だったと思います。



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by lemgmnsc-bara | 2017-02-12 18:37 | エンターテインメント | Comments(0)

なんだかんだで読んだ本のことばっかり書いてます。たまに映画、時々食い物とドライブとラグビー観戦。


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