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『レヴェナント:蘇えりし者』鑑賞

レヴェナント:蘇えりし者 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]

レオナルド・ディカプリオ,トム・ハーディ,ドーナル・グリーソン,ウィル・ポールター/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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「無冠の帝王」レオ様がついにアカデミー賞主演男優賞を獲得したことが話題になったのが標題の作。遅ればせながら、観ることにしました。

舞台は開拓時代のアメリカの酷寒の地域。フランス語をしゃべる原住民が登場することからカナダに近い地域なのではないかと推測されます。レオ様扮する主人公グラスが属しているのは毛皮の採集を目的とした狩人の集団。原住民の女性との間にできた息子ホークとともに狩りに参加していました。狩猟の時期が終わり、さて獲物の毛皮をまとめて砦にご帰還、というまさにその朝にこの集団は原住民の集団に襲われます。この戦いでメンバーの大半と多くの獲物を失った狩人集団は、原住民にみつからないような間道を通って砦に帰ることを決断します。

この逃避行中にグラスは巨大なグリズリーに襲われ瀕死の重傷を負ってしまいます。この熊との死闘は前半最大のクライマックス。熊が完全にトドメをささずにグラスから離れてしまうなど、やや御都合主義な面はあったものの、かなり迫力のあるシーンでした。

狩人集団はグラスの処遇をめぐって対立を生み出します。グループの功労者であるグラスを粗末に扱うわけにはいかない、という隊長と、ただでさえ危険な逃避行中に、自分で歩くことすらできないグラスは単なる足手まといにしか過ぎないから見捨てて先を急ごうという副長格のフィッツジェラルドとの対立です。いつまた原住民の集団が襲って来るかもしれない、という極限状況の下、隊長はグラスの最期を看取る人間3人を残して本隊は先を急ぐという妥協案を採ることにしました。

最期を看取るためということで残ったのは、残ることによって出ると約束された「特別手当て」に目がくらんだ「強硬派」のフィッツジェラルドと、グラスの息子ホーク、そしてホークの「友人」的な描写をされていた年若いブリッジャーでした。

フィッツジェラルドは一晩だけは我慢しましたが、結局グラスを生き埋めにして先を急ごうとします。生き埋めを止めようとしたホークはもみ合ううちにフィッツジェラルドに刺殺されてしまいます。息子の刺し傷を目を見開いて見るしか術のないグラス。確かにあの刹那の表情には迫力がありました。さすがは主演男優賞。もっともストーリーが単純なので、あのくらいは「演技」で魅せてもらえないとなぁ、って気もしましたけどね。

この後のストーリーは絶望的な状況に落とされたホークが、それでも諦めること無く、執念で原住民の襲撃をかわし、動物の生肉を齧り、極寒に負けずに体力を取り戻し、復讐を果たすというもの。この辺の回復の早さもややリアリティーにかけるという指摘が散見されました。酷寒の地故ばい菌が繁殖することが押さえられ、傷の化膿が進まなかったのだ、という暗黙の了解とカラダの傷などは息子を殺された恨み、悲しみと比べればなにほどのこともないのだ、人間のココロはカラダをここまでつきうごかすのだ、という根本的なテーマ設定でなんとか辻褄を合わせたという感は否めません。レオ様の演技はなるほど鬼気迫るものではありましたが、残念ながら私はそれだけでは大きな感動を覚えることはできませんでした。

大きな画面と、周りの家々への騒音の心配の無い映画館で観たら、また違った感想になったかもしれませんが、ストーリーにもう一波乱二波乱あったほうがよかったな、というのが率直な感想です。




by lemgmnsc-bara | 2016-10-15 16:58 | エンターテインメント

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