2016年 01月 12日
『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』鑑賞
以前に紹介した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と同じように、タイムトラベルの「ループもの」にカテゴライズされる作品。『オール〜』の方がチャンチャンバラバラのアクションものだったのに対し、この作品は主人公の日常生活の些細な断片を描くヒューマンな作品でした。加藤ローサ似のレイチェル・マクアダムスが出ているというので借りて来てしまった作品です。加藤ローサと言えば軽自動車のCMでDAIGOと夫婦役、そのDAIGOと北川景子の結婚会見はなかなかおもしろかった、などという連想の暴走はさておいて、ストーリー紹介に入りましょう。
主人公は冴えない高校生ティム。彼はある日父親に「重大な秘密がある」と呼び出されます。そこで語られるのが一族の男子にだけ代々伝わるタイムトラベルの能力。暗闇の中で目をつぶって過去の時点を思い浮かべて、両手をぎゅっと握りしめれば過去に戻れるという能力で、未来には行けません。父親はティムへの戒めとして、カネと名声のためにこの能力をつかわないほうが良いことを語った上で、「何に使うのか?」と改めて問います。ティムの答えは「愛」。
この後しばらくは惚れた女性のココロを射止めるためにトライ&エラーを繰り返し、次第に「熟達」していく様子がユーモラスに描かれます。その結果としてティムは好みの女性メアリー(レイチェル)のココロをつかみ、妻に迎えることとなります。そして娘にも恵まれ幸せな日常を送っていますが、ある日、ティムの妹キットが交通事故を起こしたことから、タイムトラベルの重大な欠点に気づくこととなります。さて、その欠点とは…、というところでストーリー紹介は終わりにします。
観終わってまず、自分にタイムトラベルの能力があったらどこの時点まで戻るだろうかと考えました。やはり高校入学直後ですかね。あそこで気を抜かずに大学入試に向けての勉強を始めて、同時並行で現在目指している夢についての修練も始めて、ついでに1日に少なくとも5kmは走るという習慣を身につけておけば…。後は競馬の結果を覚えておいて小金を貯めたら、それをアップルかヤフーかグーグルに投資して、一生食うに困らないだけの資産をもっておけば…、いやいやティムの父親の言う通りカネや名声のために使ってはいけないんだ。だから中学時代に戻って、初めて本格的に好きになった女子に告白して…。ストーリーもさることながら、いろいろな妄想で楽しむことが出来ました。少々むなしくはありましたがね(苦笑)。
結局ティムは今日という「初めて体験する日」を大切に生きるという道を選びます。そうそう、今日という日はもう二度と来ないからこそ愛おしいものであり、貴重なのです。故に精一杯生きなければならない。少々説教臭くはありましたが、そういうメッセージだけはしっかりと伝わってきました。とは言え易きに流れるのは人の常。精一杯生きる、という状態からは真逆の状態にある今の私にはなかなか重いメッセージだったように思います。
by lemgmnsc-bara
| 2016-01-12 12:27
| エンターテインメント