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’15〜’16シーズン観戦記6(豪vsアルゼンチン)

ジャパンの素晴らしい結果で沸いたワールドカップも大詰め。準決勝の二試合目である豪vsアルゼンチン(以下プーマス)についての観戦記です。

開始早々、豪もプーマスもそれぞれが仕掛けあいます。キックでタッチを割るという選択をせずにお互いがカウンターを繰り返すという観る者のココロをのっけからわしづかみにする展開。何度かのターンオーバーの応酬を経て、プーマスが自陣から仕掛けようとした時に、豪のLOがパスをインターセプト。そのまま独走してゴールポスト右にトライ。コンバージョンも難なく決まって7-0。高速ラグビーを標榜し、15人のプレーヤーすべてが走れる豪ならではの先制パンチ。それもいきなりKO級の強烈な先生パンチでしたが、どっこいプーマスのココロは全然折れませんでした。

激しく、精度の高いタックルで豪の攻撃を寸断します。ボールにもよく絡んで度々ターンオーバーしますが、結局1トライも取れませんでした。得点はPG5本の15点。準決勝の片方でもやはり南アはトライを奪うことが出来ませんでした。キックで確実に点を稼ぐことも必要ですが、チームを勢いづけるのはやはりトライ。プーマスには残念ながら決定力の高いプレーヤーが存在しませんでした。

そして、それ以上に残念だったのが、密集近辺での細かいミスが多かったこと。ラックから転がり出たボールを後ろから来た選手が意図せずに蹴っ飛ばしてしまい、それが豪の選手に拾われてしまったり、あるいは出ていることに気づかずにやはりボールを奪い返されてしまったり…。ボールの取り扱いというのは、それこそ基本中の基本ですが、そこでミスが出てはやはり得点を伸ばすことは出来ません。練習が足りなかったのか、意識が足りなかったのか?いずれにせよ、プーマスがもう一段上に行くには基本をもう一度カラダに叩き込むことが必要でしょう。

豪はプーマスのミスにも助けられましたが、相手のミスをすかさず得点に結びつけるところが試合巧者。また、最後にダメ押しとなったたトライは途中出場のWTBミッチェルのビッグゲインが発端となったもの。最後は逆サイドのWTBクーパーというエースに渡ってトライ。チームに勢いを与えるために投入された選手がその狙い通りにきっちりとインパクトを生み出し、最後はエースが決める。ラグビー版「勝利の方程式」というものがしっかり確立されている、という印象。準決勝という大舞台でその方程式をきっちり表現出来てしまうところが強さなんでしょうね。

この結果決勝はNZvs豪という宿敵同士の対戦となりました。どちらのチームもしっかりとした規律の下にディフェンスを固めてそこからの逆襲を狙うというのが基本的な戦略。どれだけ相手に隙を見せずに戦い続けられるかの勝負になってくると思います。その上で、予想するとすればやはりNZの方が強そうだ、と感じます。理由はNZの守備の分厚さとバックスリーの決定力の高さです。豪のバックスリーは攻めはいいんですが、ディフェンスがやや甘めなんですよね…。もっとも2003年の準決勝のように守備力を凌駕するような攻撃力を隠し持っているかもしれませんが…。

1ヶ月以上にも渡った長い祭りも今週末で終わり。ちょっと寂しい気もしますが、3位決定戦と決勝戦、じっくりと味わいたいと思います。



by lemgmnsc-bara | 2015-10-28 18:56 | ラグビー関連

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