『広島東洋カープ ドラフト1位のその後』を読んだ

広島東洋カープ ドラフト1位のその後

別冊宝島編集部(編集)/宝島社

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『ドラフト1位のその後』シリーズのカープバージョン。出版されていたことは知っていましたが、なかなか書店になく、先日池袋のジュンク堂で見つけて即買い。「探していた本がようやく手に入った」という快感を久しぶりに味わいました。

さて、カープのドラフトと言えば「お買い得」の選手が多いことで有名ですね。華々しい舞台での経験はなくとも、確かな実力を秘め、入団後数年を経て確実にチームの屋台骨を支える選手が多い。昨今の流行言葉で言えば「コスパが高い」選手を探し出す術に長けているという印象があります。

これは、長らくスカウトとして活躍した木庭教氏の存在が大きい結果でしょう。資金面で恵まれず、条件競争ではまず勝てない。広島という野球熱は高いながらパッとしない地方都市(失礼)に球団の本拠地があるというのも、特に東日本の選手を獲得するにはハンデとなる。苦しい環境の中で、複数回にわたる黄金時代を築くことが出来たのは木庭氏及び彼に薫陶を受けた敏腕スカウト陣の手腕によるところが大きいと思います。

上位指名選手よりも下位使命の選手に大化けした選手が多く、俗に「カープの四位は宝の山」などとも言われています。現監督の緒方氏、前田智徳氏、達川光男氏に江藤智氏等々…。全盛期の成績で考えたら侍ジャパンをすべて任せたいくらいの面々ですね。

さて、本題の一位。「ミスター赤ヘル」山本浩二氏を筆頭に、北別府、佐々岡、そして今をときめくマエケンこと前田健太投手等々。こちらもいずれ劣らぬ錚々たるメンバーが揃っています。

しかし、私が一番印象に残っているのは1986年のドラフト一位栗田聡投手です。この方、カープでは目が出ず、近鉄に移籍したものの、結局一軍での当番はないという思いっきりの「ハズレ」。なぜこの「ハズレ」が一番印象に残っているのか?当時大学生だった私がたまたま見ていたニュースかスポーツ特集番組かに前述の木庭氏が出演し、彼独自の視点での「選手の見極め方」みたいなものを語っていたのですが、その際に「今年のドラフトでは、是非ともこの選手に賭けてみたいという選手がいるんです」と語り「左腕投手とだけ言っておきます」とヒントを残していました。

そしてドラフト本番で指名されたのが栗田投手だったというわけです。「日本一」の辣腕スカウトが「賭けてみたい」とまで言い切った栗田投手とはどんな投手なのだろう?大いに興味があったのですが、結局その姿を観ることはできませんでした。表題の書によれば、故障が多かったことがこの結果を招いたそうです。現在はその故障の経験を生かして理学療法士として活躍中とのこと。いろんな人生があるもんですね。

近年は若手イケメン選手の活躍が目立ち、「カープ女子」なる存在も世に認知されるまでに至りました。なんでもかんでもカネにあかして集めてくる某老舗球団たちへのアンチテーゼとして確かな地位を確立しているカープは素晴らしい球団だと思います。



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by lemgmnsc-bara | 2015-05-17 08:12 | 読んだ本 | Comments(0)