2014年 11月 30日
『どんな球を投げたら打たれないか』を読んだ
今ストーブリーグ最大の目玉として、その去就が日米両球界から注目の的だったのがオリックスのエース金子千尋投手。色んな情報だけが交錯していた矢先、右ひじを手術することが発表され、一気にトーンダウンしましたが、来シーズン以降もその動向からは目の離せない「日本のエース」であることは間違いありません。
標題の書は金子投手の投球術について書かれたもの。題名からして、彼の哲学が思いっ切り表されています。
彼の考える「打たれない球」とは直球と同じスピードで、打者の手元に来てそこで小さく鋭く変化するというもの。大きな変化をみせる球だと空振りは取れるが、それえだとアウトにするまでに最低3球投げなければならない。小さな変化なら打者の打ち損じを誘って1球でカタがつくというのがその理由。
俗に「投手の究極的な目標は27人全員から三振に取ることではなく、27球で試合を終わらせること」などといいますが、まさにこの言葉を体現することこそが金子投手の理想というわけです。
そして、その小さな変化を最大に活かすためには、やはり直球をいかに磨いていくかが重要だとも書いています。本の腰巻きにはタイトルに対しての返答として「変化しない変化球」という文字が躍っていますが、打者にしてみれば、変化球だと思って見送った球が直球だとアタマが混乱するのでしょう。そして対戦を積み重ねる毎にその混乱が深まっていくという訳です。金子投手がここ数年安定した勝ち星を挙げているのは、こうした積み重ねによるものなのでしょうね。
それにしても、今オフ、わが巨人軍が最大の目玉に対して「欲しい欲しい病」を発症しなかったのは、肘の故障の情報をいち早くつかんでいたからではないか、という疑いを持ってしまいますね。夏頃まではの報道では獲る気満々だったようなのですが…。所属球団のことより、まずは肘の具合が心配です。オリックスの、というよりは日本球界のエースの一人なのですから。早い復帰と、今以上の活躍を見せて欲しいと思います。
by lemgmnsc-bara
| 2014-11-30 15:46
| 読んだ本