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『察知力』を読んだ

察知力 (幻冬舎新書)

中村 俊輔 / 幻冬舎

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昨年末、Jリーグ最終戦でまさかの敗戦を喫し、手に入りかけていた優勝を逃してしまい、グラウンドで泣き崩れた姿が印象的だった中村俊輔選手の自伝。彼が自分の弱点と向き合い、その弱点をどのようにして克服し国内外で活躍できるようになったかを綴った一冊です。

話しはちょっと脇にそれます。阪急-オリックス-阪神で活躍した「星の王子様」こと星野伸之投手のストレートは最速でも120km/hしか出なかったのに、プロ野球の強打者をきりきり舞いさせました。ある打者などは「もっとも球の速い投手は星野だ」と公言してはばかりませんでした。なぜ中学生でも投げられるようなストレートで打者を牛耳ることができたのか?それは星野投手の球持ちの長さにありました。星野投手は他の投手に比べ、ほんのコンマ何秒か球を持っている時間が長いのだそうです。そのホンのコンマ数秒の差が打者の感覚を狂わせるが故にスピードガンに表示される球速の数値は低くても「速い球」に見えたという解説がなされていました。

スポーツのトッププロのプレーには、それこそ瞬間のひらめきが要求されます。その時間が短ければ短いほど、早く動き出すことができ、相手に対して有利なポイントに位置することができる、というわけです。その判断力のことを中村選手は察知力と称しています。判断する瞬間以前の「予測」の部分をも含んだ感覚ですね。

中村選手は、自分に脚の速さや人に対する強さがないことを自覚し、それをハンデにしないためにはどうしたらよいかを考えました。その結果たどり着いたのが人より早く動き出すこと。それに必要なのが「察知力」というわけです。

彼が察知力を磨くのに用いたツールは有名なサッカーノート。それこそサッカーを始めた小学生時代から現在に至るまで書き綴っているそうです。その日の練習や試合で感じたことはレベルを問わずすべて書き記す。どこかのビジネス書にも書いてあったと記憶してますし、私自身も実際に仕事にまつわるさまざまなことを書き記していたこともありました。別にやってても楽しくなかったし、自分が最終的に進もうとする道に関して本当に必要なことなのか疑問を感じてしまったので、すぐに止めちゃいましたが(笑)。

スポーツ選手の自伝ではありましたが、そのままビジネス書にしても通用するような内容の一冊でした。
by lemgmnsc-bara | 2014-01-27 19:24 | 読んだ本

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