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『進撃の童貞』を読んだ

進撃の童貞

関上 直人 /

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Kindleの無料本のランキングで長期間上位100位にとどまり続けているのが標題の書。著者関上直人氏の赤裸々な自伝です。

関上氏は28歳まで童貞を捨てる事ができなかったそうです。これは、その瞬間まで自分が「大人」ななったという自覚を持てないという事ですね。ずーっと思春期が続いているようなものです。

中学生になって「目覚めた」頃から、男にとっては「いつ童貞を捨てるか?」というのはかなり大きな問題となります。私が生まれ育ったのはド田舎でしたので、中学生で童貞を捨てたなんてやつは恐らく皆無に等しいくらいの「低打率」だったと思います。『金八先生』で大きな反響を呼んだ「15歳の母」なんてことは完全に架空の設定でした。同級生に「非童貞」がいるなんてことは宇宙人に遭遇するのと同程度の「絵空事」でしたね(笑)。私の場合はその後男子校に進学しましたので、3年間は言い訳が成り立ちました。それでもいわゆる「トッポい」連中の中には高校時代に捨てた、ってやつがいたというのもちらほら聞きました。

大学は比較的女子の多い文学部に進学したのですが、彼女はできず…。今から考えると明らかに人間関係を構築する技術が劣っていたのですが、当時は全くそんな事には気付きませんでした。まあ、私の「童貞」遍歴はこれくらいにしましょう。

関上氏は決して恵まれているとは言えない労働環境の下、どうやったら童貞を捨てられるか?という大きな課題に果敢に立ち向かうのですが、それ以前の「恋愛」に至までの道が険しかった。いいな、と思う女の子がいても声をかけられなかったり、いざデートにさそったら、二人きりの場で彼氏がいることを告げられ、「これはデートじゃなくて単なる食事かと思っていた」と言われてしまったりします。こういうの、実は男は非常に傷つくんですよね。私もこのテの経験は一杯しています(笑)。

こういう失恋経験を重ねると、段々自分に自信が持てなくなっていきます。体裁を整えるためにオシャレしてみたり、服装に気をつかってみたり、という「努力」を繰り返してみてもなかなか結実しない。挫折が続くと、強くなる人間と、うちひしがれてしまう人間とがいますが、長い間童貞をひきずるのは大抵後者です。そのうちチャレンジもしないうちからあきらめてしまう、という落とし穴にハマります。ああ、リアル。結局また自分の体験談に戻ってしまいました。

ま、一種の「もてない男あるある」なんですが、最高権力者様以外に成就した恋愛経験のないわたしに取っては大いに共感できる一冊でした。
by lemgmnsc-bara | 2014-01-03 05:56 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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