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『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物』を読んだ

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

安部 司 / 東洋経済新報社

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人呼んで「食品添加物の神様」安部司氏による、食品業界の内幕暴露本。今の日本の加工食品に如何に多くの食品添加物が含まれているかを赤裸々に告白しています。

氏は商社に入社し、食品販売部門に配属されてから、食品添加物の開発と販売に奔走します。氏の提案する添加物は、製造を容易にする、日持ちを良くする、見栄えを良くする、嵩増しになるなどのアボヴァンテージで広く食品加工業者に受け入れられ、トップセールスに登り詰めます。そしてそこで満足する事なく、新たな添加物を次々と開発し、どんどん販路を広げて行きます。

しかし、氏は添加物には「光の部分と影の部分がある」とも述べています。即ち人体への悪影響です。この問題は私が小学生くらいのころから指摘されていましたが、結局食品業界の利益追求の論理がまかり通り、店晒しのままです。一つ一つの物質には毒性がないとしても、多数の添加物を摂り続けたらどうなるのか?誰も検証した人はいません。無毒を証明する方法が動物実験だけという現状にも疑問を呈しています。

氏はある日、自分が作り上げた添加物だらけのミートボールを、自分の子供達が美味しそうに頬張る姿を見てショックを受けます。そして、そこから自分の為して来た事に疑問を持ち始めるのです。食品工場の工員達は自分の工場で作られた製品は食べない、という実態にも触れていましたが、これもショックなオハナシです。作っている人間ですら食わないようなものを食わされている我々消費者は一体なんなんでしょう?この本を読んでしばらくは加工食品を食べる気がしませんでした。今は結局食べてますけど(苦笑)。加工食品抜きには我々の食事は成り立たないというくらいに広く、深く食い込んでしまっているからです。明太子もウインナーもなんか気持ち悪いなぁ、と思いながら怖々食ってましたね。今はもう麻痺しちゃいましたが…。

こういう状況を打破するには消費者である我々が本物を見抜く舌を手に入れるしかないのですが、それは事実上不可能です。添加物をつかわない加工食品は皆無だし、農薬を使わない野菜も入手は困難。自然環境のままに育てられた家畜や、水の汚染されていない海で獲れた魚も一般ピープルには、継続的な入手はほとんど不可能です。つまり、本物の自然な食品を口に入れる機会が絶無なのです。なんだか暗澹たる気持ちになりますね。そういう物質に負けないようなカラダを作り上げるしかないんでしょうね。
by lemgmnsc-bara | 2013-10-06 17:18 | 読んだ本

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