2013年 10月 01日
『千曲川ワインバレー 新しい農業への視点』を読んだ
「食」に造詣の深いエッセイスト玉村豊男氏が、ブドウの栽培からワインの醸造まですべてを自らの手で行うワイナリーについて紹介し、併せて日本の農業の一つの将来像についても言及している一冊。
玉村氏が何年か前から長野県でワイナリーを経営している、というオハナシは雑誌かなにかで読んだ記憶があり、なんとなくアタマの片隅にはあったのですが、「所詮日本のワインは大したことがない」という先入観の下、大して注目していませんでした。パリに留学経験があり、ワインについても人一倍詳しいであろうと推測される玉村氏であっても、ワインを味わう事と実際にワインを作る事は全くの別物。日本ではいくら頑張っても大したワインは出来ない。まあ老後の道楽として始めたんだろう、カネがある人はいいよね、くらいの気持ちで読み始めたのですが、さにあらず。玉村氏は、従来ブドウ栽培には向かないであろうと思われていた土地を入手し、そこで、日本で開発されたワイン用ブドウだけでなく、フランスの高級品種を栽培する事に注力します。
また、ワイナリーにはレストランも併設されており、たまに玉村氏自らオーダーを取ったりもするそうです。行ってみたいなぁ。
氏のワイナリーがあるのは東御市。菅平からは高速のインター一つの距離です。長野道がまだ全線開通していない頃は、東御インターで降りて菅平を目指したもんだったっけ。あんなところでワイン作りができるのか?氏によれば、東御市を流れる千曲川の流域は、カリフォルニアの名醸地ナパヴァレーに勝るとも劣らない、非常にワイン作りに適した土地なのだそうです。
ワイン作りには時間がかかりますが、5年間我慢する事が出来れば十分に勝算ありなんだそうです。う〜ん、魅力的なオハナシだなぁ。多分自分では実行しないけど(笑)。
最近は日本のワインも世界で高い評価を得るようになって来たようです。日本産のワインが世界に羽ばたく日を心待ちにする事にします。
by lemgmnsc-bara
| 2013-10-01 21:09
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