『「前へ」明治大学ラグビー部 受け継がれゆく北島忠治の魂』を読んだ

「前へ」明治大学ラグビー部 受け継がれゆく北島忠治の魂

明治大学ラグビー部 / カンゼン

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日本のみならず、世界でも類を見ないほどの長期にわたって明治大学ラグビー部の監督を務めたのが北島忠治氏。明治大学ラグビー部といえば、押しも押されぬ名門校。「縦の明治に横の早稲田」と並び称される早稲田大学を始めとして、数々の伝統校と激闘を繰り広げてきました。

明大と言えば、大型FWを擁し、真っ向から力勝負を挑むとともに、ポジションに関係なく、とにかくゴール目指して最短距離を一直線に走れという、「前へ」という哲学が徹底されている事でも知られています。この本の題名も「前へ」ですね。

北島氏は常々「細かい技術は社会人になってから身につければ良い。明大にいるうちは相手から逃げるようなプレーはせず相手を倒して突き進むようなプレーを心がけろ」と常々言っていたそうです。一見おおらかそうに思える同氏の教えですが、大学レベル程度でコンタクトプレーを避けていたら、上のレベル、特に国際レベルになったら絶対に通用しない、という深謀遠慮があったようです。単純にして深い言葉ですね。

まあ、この本はいい事しか書いてありませんが、一方で上下関係が厳しくて、下級生は上級生から理不尽な要求を突きつけられても従わざるを得ないという不文律もあったようです。ある、有名選手はそうした上下関係が嫌で、「伝統的なルート」に乗らずに別の大学に進学して活躍しましたし、私の知り合いは高校ジャパン候補だったにも関わらず、こうした「部風」に耐えられず退部して別の大学のラグビー部に入り直しました。決まりをまもるとか、けじめをしっかりつけるという事は必要だとは思いますが、行き過ぎによる弊害も軽くはないという事です。最近は以前ほどの理不尽さは無くなったようですがね。

いずれにせよ、明大ラグビー部は日本代表にも数々の精鋭を送り込んでいる「優秀」な教育機関です。北島氏が亡くなってしまった今も、「前へ」という哲学は歴代の監督に脈々と受け継がれ、そしてOB達により、日本のラグビー界に大きな影響を与え続けています。例えば、現在のジャパンの戦法は「前へ」ということをシビアに突き詰めていったカタチであるとも言えます。守備にしろ攻撃にしろ、とにかく一歩でも前に進む。日本代表の難敵撃破の裏には北島哲学があると言ったら言い過ぎですかね(笑)。

今後も「ゆりかご」として有為の人材を送り出して欲しいものですね。
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by lemgmnsc-bara | 2013-08-08 17:48 | 読んだ本 | Comments(0)
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