2013年 04月 21日
『ラグビー校長、体罰と教育を熱く語る』を読んだ
現役時代は破壊的な突進で一世を風靡し、現在は芦屋学園中学・高校の校長を務める大八木淳史氏の教育論。題名通りの内容です。
この方、大学以降は酒豪で鳴らし、結構酒の上での武勇伝は多いそうですが、そうしたことは一切書かれていません。また、日本代表合宿では夕食後の団らんの時に「よし、みんなでなぞなぞを出し合おう。じゃ、最初は俺からいくぞ。なぞなぞの'ぞ'」と言ったという「伝説」も残っています。
私自身は、いつぞやの日本選手権の会場でみかけたことがありますが、なにしろでかかった。現役を引退して10年近く経っていたというのに、服の上からでも筋骨隆々とした立派なカラダであることがわかりました。なるほど、こんな奴に突進して来られたらそうそう簡単に止められるもんじゃねーな、と思った記憶があります。
だいぶん前置きが長くなりましたが、本文の内容を紹介したいと思います。氏の母校は『スクールウォーズ』の舞台となった「不良校」伏見工業でしたが、意外や意外、体罰などはほとんどなかったそうです。監督として有名な山口良治氏は飲酒など法律を犯すような行為をした生徒には時に手を上げるようなことはあったそうですが、鉄拳制裁による恐怖政治で部員達をしめつけていたのではなかったとのこと。もっとも、ラグビーの場合は練習そのものが体罰みたいなもんですけど(笑)。
以前の投稿にも書きましたが、私は必ずしも体罰が絶対に悪いとは思いません。例えば、試合を目前に緊張感がないとか、逆に緊張し切ってガチガチになっている時などにはビンタの一つもくれてやることにより、緊張感を高めたり、逆に緊張を通り越して開き直らせるなどの効果があるように思います。実際に私もOBに一発食らった後の試合では我ながら見違えるような動きで試合を終始リードし勝利したなどという経験があります。
しかし、それが恒常的になってしまってはやはりいけない。あくまでもカンフル剤として使うべきで、体罰という行為に頼るようになってはいけないんでしょうね。薬と同様、あくまでも患部にのみ利かせるものであって、過度に使用すれば副作用による障害の方が大きくなってしまう。この辺のさじ加減が難しいのですが、人を指導する立場にある人間は基本的なスキルとしてこのさじ加減って奴を身につけておくべきではないでしょうか?言語によるコミュニケーションが最も重要であることは間違いありませんが、軌道修正のための最低限の道具は必要であるように思います。
また、脇道にそれちゃいました。大八木氏の今までの経験は教育界にとっては大いなる財産だと思います。芦屋学園で是非その財産を活かしていただき、他の教育の場にも水平展開していって欲しいものだと思いますね。
by lemgmnsc-bara
| 2013-04-21 22:00
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