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『やっかいな隣人 韓国の正体 なぜ「反日」なのに、日本に憧れるのか 』を読んだ

やっかいな隣人 韓国の正体 なぜ「反日」なのに、日本に憧れるのか (祥伝社黄金文庫)

井沢元彦 呉善花 / 祥伝社

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常々韓国の姿勢に疑問を呈している井沢元彦氏と、日本に留学したことがきっかけで日韓両国の間に横たわる「歴史」を別の側面から眺めることができ、韓国の日本に対する態度の特異性に気付いた韓国人(現在は日本に帰化)呉善花氏との対談本。

韓国はなぜ日本を必要以上(少なくとも私はそう感じます)に敵視するのでしょうか?古くは白村江の戦いから近年の日帝による韓国併合に至るまで、日本が常に侵略を繰り返してきたから、というのがその根底にあるのでしょう。確かにそうした時代が存在したことは事実ですし、様々な悲劇を繰り返さないために歴史から学ぶ、という姿勢は大切だと思います。しかし、博物館まで作ってことさらに日本軍の残虐性を強調したり、天皇からの謝罪を求める、などという行為は明らかに行き過ぎです。

本書を読むと、歴史的、経済的に韓国には様々な克服しがたい問題が横たわっており、その問題がいつまでたっても解決されないことに、常に韓国人たちはいらだっているそうです。そしてその不満のはけ口を日本に求めているのです。

日本は日本で「相手の言うことにも一理ある」という’なあなあ主義’が心底に横たわっていますから、中途半端に謝罪を繰り返したり、変な談話を発表したりして、なんとか韓国をなだめようとしますが、彼の国には日本式の「話せばわかる」は通用しません。かくして、両国の関係はいつまでもこじれ、ちっぽけな島一つを巡って、死ぬの生きるのというレベルにまでたやすくヒートアップしてしまいます。

読んでいて、私の小学校~中学校の同級生の一人の態度を思い出しました。小学校時代、肥満児だったため運動が苦手で動作も鈍かった私はイジメラレっ子でした。カラダの動きが鈍い=アタマの働きも鈍いとみなされ、かなりバカにされていましたね。ところが中学に入ってテストの点が明らかにされるようになると、皆私の点が予想外に良かったことに驚いたようでした。まあ、そのことで私も調子に乗って尊大にふるまったこともあったかもしれません。そしてその同級生はある日「ちょっとばかり成績がいいからって急に威張り出しやがって…」と面と向かって言ってきました。

韓国は長い間中国を宗主国と仰ぎ、中国の文化こそが世界一という「中華思想」に染まっていました。そして韓国から見れば、日本は海の果てにある後進国で、自分たち以上の蛮族であるとみなしていたのだと思います。陶芸をはじめとして、さまざまな先進技術を伝えてやったのは自分たちだ、という自負もあったでしょう(まあ、これは事実です)。

そんな劣った存在であった日本が何度も自分たちに楯突いてきたことが気に入らない。さらに言えば、自分たちを差し置いて経済大国になってしまったことが悔しくてならない、というわけです。まさに「ちょっと羽振りがいいからって、でかいツラしやがって…」ってところですね。

現在の両国の関係は両国にとって国益を損なうものだと思います。歴史は歴史として、新しい関係を構築し、両国がお互いに最大の国益を上げられるようにしていきたいものだと思います。安倍新首相が誕生した途端「日本の右傾化」を警戒するという論調が声高に語られるようになる現状を鑑みるとなかなかに道は遠いようですけどね。
by lemgmnsc-bara | 2013-01-14 07:00 | 読んだ本

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