2012年 03月 25日
『パッション・プレイ』鑑賞
ミッキー・ローク主演。バブル期には伊達男として売っていたミッキーですが、最近はすっかり落ちぶれた役ばかりですね。まあ、年相応と言ってしまえばそれまでですが…。
場末の酒場でトランペットを吹いているネイト(ミッキー)は、かつてはレコードを出したこともあるスタープレーヤーですが、クスリに溺れてすっかり落ちぶれてしまっていました。
ストーリーは、いきなりネイトが襲われて拉致され、砂漠まで連れて来られて射殺されそうになるところから始まります。ここで、何故か白装束の集団が現れて、ネイトを拉致してきた人物を倒してしまいます。この部分がまず不可解。この白装束の団体に関しては後に「新興宗教の集団」という台詞一言で済まされちゃっていました。何故、わざわざ見ず知らずのネイトを助けたのか?最後まで悪い意味でひっかかっちゃった場面です。
さて、ストーリーに戻りましょう。ネイトは砂漠をさまよい、見世物小屋を見つけ、そこで助けを求めます。そして底でであってしまったのがファムファタール、リリー。彼女は背中に羽の生えているフリークスとして見せ物になっていました。リリーの美貌に惹かれたネイトは彼女のことを「天使」と形容しますが、彼女は自分自身を「鳥女よ」と卑下します。この辺は『マイ・フェア・レディ』あたりのストーリーの翻案でしょうか?自らの美しさに気づいていない女と、その美しさに惚れてそれを花開かせようとする男…、ありがちといえばありがちですね。
二人は手に手を取って見世物小屋から逃げ出します。しかし、街に帰ったネイトを待っていたのはマフィアのボス、ハッピー(ビル・マーレイがかなり冷酷な役に徹しています)でした。そもそもネイトが命を狙われたのはハッピーの妻と関係を持ったからでした。
リリーの美貌はハッピーをも惹き付けずにはいられませんでした。ネイトの命を救うためにハッピーのものとなるリリー。愛故に彼女を取り戻そうとするネイトの戦いが始まります。とはいっても、別にチャンチャンバラバラがある訳ではありません。いかにして彼女を取り戻して一緒に逃げるか、というだけのオハナシ。
で、最後はお定まりのハッピーエンドを迎えるのですが、これがどんなハッピーエンドだったかは伏せておきましょう。まあ、要するに、リリーが自分を鳥女と卑下するのをやめて、自己のココロを解き放つことの非常にわかりやすいメタファーになっているエンディングです。
冒頭の部分を含め、つじつまの合わないストーリーの粗さが目立つ作品でした。エンディングはベタな演出なりに悪くなかったとは思いますが、それだけでしたね。
by lemgmnsc-bara
| 2012-03-25 08:03
| エンターテインメント