2012年 03月 09日
『サンクタム』観賞
『アバター』のジェームズ・キャメロン氏が監督した作品。前作と同系列のSFモノかと思ったのですが、さにあらず。脚本家アンドリュー・ワイトの実体験に基づいた準ドキュメンタリーとも言うべきパニック映画でした。
パプアニューギニアの大洞窟を探検中の冒険家フランク。彼は言葉が激烈で自他共に厳しい人物でしたので、皆から尊敬を集めていながらも、疎まれる存在でした。特に彼の息子のジョシュはとりわけ反抗的で、非常用の酸素ボンベを運んでくるという命令を無視して、スポンサーである実業家のカールとその彼女ヴィクトリアを出迎えに行ってしまいます。
ある日、ジュードという女性探検家とコンビを組んで、水中探検に向かったフランクは、酸素マスクからの酸素漏れでパニックとなったジュードを死なせてしまいます。ジョシュをはじめとして皆から非難を浴びるフランク。しかしフランクはジョシュが非常用の酸素ボンベを運ばなかったことで、ジュードが運ぶことなり、その疲労ゆえにミスをしたという正論をジョシュに叩きつけます。全員が命を張っているギリギリの状況下においては、一人の油断が重大な結果を招く、という現実を思い知らされたジョシュは、次第に父の行動を理解するようになっていきます。
そんな中、洞窟のある島をサイクロンが直撃します。大量の水が拠点に流れ込んでくることが予想される事態となり、フランクは全員に撤退を指示しますが、「通常」の通路はすでに流水量が膨大になってしまっていて脱出は不可能。従って、一行は、洞窟の地底湖が海に通じていることを信じて、地底湖に潜水していくのですが・・・、というのが主なストーリー。
状況は刻々と悪化。仲間たちは一人、また一人と命を落としていきます。そんな中でも、海へ通じる水路の存在を信じて、その時点時点で考えられる最大限の努力を払って前進するフランクの姿はなんとか自然に立ち向かおうとする人間の雄雄しさと、気持ちだけでは通用しない自然の力の巨大さをうまく表現していたように思います。
皆が皆ハッピーな気分になるわけではありませんが、結局最後がハッピーエンドで終わってしまうのがやや残念。まあ、でも誰かが助からなきゃこの準ドキュメンタリーが日の目を見ることはなかったわけですから仕方ないところですかね。
間違っても、洞窟の奥には入り込みたくないな、とは感じさせてくれる作品でした。
by lemgmnsc-bara
| 2012-03-09 10:43
| エンターテインメント