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『空想科学読本10』を読んだ

空想科学読本10

柳田 理科雄 / メディアファクトリー

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店頭で、関根勤への爆笑講義45分間DVD付きというのを見かけて衝動買いし、そのまま積ん読山に眠っていたのが、元旦の地震で発掘されたもの。

このシリーズは第1集が出た時に結構話題になったので当時買って読んでみました。ウルトラマンが怪獣の引き起こした大火災を鎮火するために手の先から水を噴射するという技を使った場合、地球の大気中から、一気に水分がなくなり、結局地球は壊滅する、と解説していたのが印象に残っています。で、後書きで「今度こんな本を出します、と大学の科学者に持っていったら『子供たちの夢を壊すような本を書くな!』と怒られた」というエピソードを紹介しており、確かにその通りだと思ったという記憶もあります。

普段我々は、「結局はアタマの中で考えた勝手なヒーロー像なんだから、矛盾があって当たり前」という割り切り方をしてSF(広い意味でアクションヒーローモノも含む)を鑑賞してますからねぇ。一つ一つの事象に文字通りいちいち突っ込みを入れてたら、このテの番組はまったく無くなってしまいます。でも突っ込んでいるポイントはなかなか面白い…。好きなんだか嫌いなんだかよくわからない感情を巻き起こしてくれる本です、まったく。

明らかに設定からして無理がある巨大アクションヒーローモノよりも、「リアルさ」を売り物にしている『キャプテン翼』の日向小次郎のキックに関する解説が一番面白かったですね。高校生から寄せられた「日向小次郎の蹴ったボールがコンクリートの壁にめり込んでいたが、あんなことがあり得るのか」という質問への答ですが、時速3800kmで蹴り出せば可能としています。いくら脚力の強い人間でも、新幹線の10倍以上の速度なんか出せる訳ねーだろ!!ってつっこみを入れてしまいますが、実はこの日向小次郎のキックよりライバルの大空翼のキックの方が速いという解説もなされてました。この二人がいれば、日本は楽勝で勝負に勝てる。とにかく守備に徹して、ゴールを固めて、ひたすら二人のどちらかにボールを供給する。供給されたボールをそのまま相手ゴールに向かって蹴れば、まず止められる人間はいません。というか、ボールに当たった人間は確実に死んでしまうので、ローマ時代にコロッセオで行われていた異教徒vsライオンみたいな陰惨な試合になってしまいます。

DVDの方の講義では、3万5千トンの体重のある、ウルトラマンが着地しただけで周囲200kmに震度6以上の地震が起こるという解説に「へぇ〜」。怪獣から地球を救う前に自分が地球を壊滅させてんじゃん!この話題、このご時世ではシャレにならんな、と思っていたら、出版は去年の震災前。まあ、であれば仕方ないか。

こういう突っ込みの入れ方は実はそんなに嫌いではありません。次巻も関根勤氏が登場するようなら、買いたいと思います。
by lemgmnsc-bara | 2012-02-05 08:31 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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