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『ローマの休日』鑑賞

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イタリア追体験用鑑賞映画の第三弾は不朽の名作『ローマの休日』です。

今更ながらですが、簡単にストーリーの説明を。某国の王女アンは、各国への表敬訪問中。最後の訪問地ローマに立ち寄った際、過密なスケジュールと、近習たちの干渉に対する我慢が限界に達し、ホテルの部屋をこっそりと抜け出します。そして知り合ったのがアメリカ人の新聞記者ブラドリー。最初は単なるお転婆娘を一晩世話してやるつもりだったブラドリーですが、少女の正体がアン王女であることに気づき、一緒にローマをめぐることで、スクープをモノにしようと画策します。しかし行動を共にするうちいつしか二人の間には淡い恋心が芽生えていく、ってなところでしょうか。まあ、知られすぎているほど知られているストーリーですからね…。

恋を知ることによって、少女から大人の女性へと脱皮した王女。この辺の変化に関するオードリー・ヘップバーンの演技は見事なものです。アイスクリームにしゃぶりついている女の子と最後の記者会見に臨む王女は別の人格を持っているんじゃないかと思わせるほどの変容ぶりでした。下手な役者が演じると思いっきりわざとらしくなっちゃうんですが、自然に演じ切っていました。さすがです。

ブラドリー役のグレゴリー・ペックも見事。王女との関係を思い出として残しておくために、儲け話にあえて背を向けて、王女の写真を破棄し、記事も書かない。男の心意気と哀愁って奴が漂っていましたね。こっちも達者です。

観終わって、なんだかこれと同じような筋立ての物語を以前に観たという感想を持ちました。果たしてどの物語だったのだろうか、といろいろ考えたのですが、具体的な名前は浮かんできませんでしたが、一つだけ明確になったことは、この映画が、その後に続く、数々のラブストーリーたちの一つの「見本」となったということです。筋立てや設定に違いはあれど、ストーリーの展開や結末はこの映画と同じ(あるいは明らかにこの映画を意識した上で、別の方法を考えている)って作品の如何に多いことか…。そういう意味でこの作品はまさしく古典です。長年の風雪に耐え、なおも輝きを放つだけの魅力ある作品だと思います。

おっと、作品の出来に感心するあまり、最初の目的であるイタリア追体験について語るのを忘れていました。トレヴィの泉、スペイン広場、真実の口(当家はここは見ませんでしたが…)などローマの有名どころがバシバシ出てきてました。この映画は行く前に観ておくべきだったとちょっと後悔しています。例えばスペイン広場でアイスクリームを食べるシーンがあるということを知識として持っているのと、あ、あのシーンだ、と直接脳裏に思い浮かべられるのでは、感動の質も違ってきたでしょうから。もし次回ローマに行く機会に恵まれたら、是非とも予習のためにもう一度観たい作品です。
by lemgmnsc-bara | 2011-12-28 20:08 | エンターテインメント

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

by 黄昏ラガーマン
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