2011年 07月 20日
『正直じゃいけん』を読んだ
出ると買い作家の一人、町田康氏のエッセイ集。
相も変わらぬパンキッシュな文体で、氏独特の変にうらぶれた日常が綴られています。
私も、こういう、支離支滅でいながら文の意味がちゃんと通っていて、かつ読み手に面白いと思わせるような文章を書いてみたいと常々思っているのですが、公務員の一人息子として平々凡々な人生を歩んで来た身にとっては相当無理して言葉をひねくりださないといけないですし、なにより氏より面白い文章は書けそうにありません。
まあ、ライターをやっている友人によれば、氏は生き様そのものがすでに一般人とはかけ離れているそうですから、やはり飛び抜けた完成の持ち主なんでしょう。善悪は別にして、ですがね(笑)。
さて、いくつかの章に分かれているこの本で気になったのは二つの章です。
一つは野坂昭如氏の作品に触れたもの。考えてみたら私はこの方を酔っぱらいのおっさんとしか認識しておらず、まともにその作品を読んだことがありません。映画化され多くの人々の涙を誘った『火垂るの墓』をはじめ、名作を多々上梓している野坂氏の作品にこれを機に真剣に向き合ってみようかと思い立ちました。次回の衝動買いツアー(おそらく楊令伝の2巻目の発売後になると思います)の際に何か一冊買い求めようと考えております。
もう一つは町田氏が五千円を持って本屋に行き、その予算内で本を買い求めるという企画モノ。彼が普段どんな本に興味を惹かれ、読んでいるのかについては少なからず興味がありましたので、なかなか楽しめましたね。
積ん読山にはまだ町田氏の作品が何冊か埋もれているはずですから、発掘され次第また読みたいと思います。
by lemgmnsc-bara
| 2011-07-20 19:37
| 読んだ本