2011年 04月 29日
『絶対に負けないスマート交渉術―相手より3歩先行く7つのステップ』を読んだ
震災により、本棚の奥のほうから床に投げ出されていたビジネス本その2。購買を職務としていたときにその業務のうちの主要な部分を占める「交渉」ということについて何か参考になることはないか?と思って買い求めた記憶があります。購買とは関係ない部署に来てから読むってのもナンですが…。
さて、内容について。まず、文章の形式が、モロにテキストブック。言いたいことが太字で示してあり、その下に短く内容を解説しているというパターン。しかも一つのテーマが見開き2ページにまとめられています。まさに参考書。
テクニックに関する部分については今更…って感じでした。まあ、購買時代の交渉は、買う側が圧倒的な強者ですから、得てしてWIN-LOSEの関係になりやすいんです。で、一方が一方から無理矢理勝ちを強奪するような関係はいつか破綻が来ると感じていたのでWIN-WINの関係を築くためにどうしたらよいかの参考にしたいと思って読んだんですが、その件については特に目新しいことが書いてあるわけではありませんでした。
非常に意地悪く考えてしまえば、サプライヤーはこちらの「強欲」は織り込み済みで価格を設定していたんじゃないか?という推測もなりたつんだよな、ということに改めて気づいたのと、交渉に関してもしっかり準備をし、いくつかの仮説を設定してから臨めば、非常に「成功」する確率が高くなるということです。何事も準備が大切だし、よく考えて取り組むことが必要なのだということに改めて思い至ったというのが一番の収穫ですかね。それと、こうして日頃から思考のトレーニングを積んでいくことこそが自分の向上につながる、ということも。無駄な時間をすごしたなぁ…。
最後に、今の総務という部署は、いかに各部署に対してのサービスレベルを上げていくかというのがミッションですから、利害が相反する交渉というのはほとんど発生しません。強いてあげれば、関係する公的機関とは利害がぶつかる場合がありますから、いかに有利な状況を引き出すかという交渉が必要になる場合もありますが、まあせいぜい月に1度か2度ある程度。いかにうまく負けるかが勝負という交渉ばっかりです。完全に読み時を逸した本でした。
by lemgmnsc-bara
| 2011-04-29 06:47
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