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『Heat』鑑賞

ヒート [DVD]

日本ヘラルド映画(PCH)

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ロバート・デニーロとアル・パチーノという、二大スターが『ゴッド・ファザー』以来の競演を果たした、クライムサスペンス。デニーロ扮するニールが率いる犯罪者のプロ集団と、パチーノが演じるワーカホリックの刑事ヴィンセントとの戦いを描きます。

まず、ニールの隙の無さが素晴らしい。1995年製作の作品ですが、すでにコンピューターなどの当時の最新テクノロジーを駆使して綿密な犯罪計画をたてて実行するというインテリジェンスと、ホンのわずかな物音から監視を看破するカンの鋭さを併せ持ち、かつ「仕事」には厳格なルールを定め、そのルールを破るものには冷徹な制裁も辞さない。一方で仲間に対しての信義は篤い。「プロの犯罪者」というに値する人物を見事に演じきっています。

ヴィンセントのキャラクターも際立っていました。犯人逮捕に執念を燃やし、やはり最新のテクノロジーを駆使する冷静さと、犯罪の臭いをかぎつける嗅覚を持つ、骨の髄までのデカ。仕事に熱中するあまり結婚に二度失敗し、現在の妻とも破局寸前だったり、殺された娘を前に半狂乱の母親を懸命になだめるなどの人情味も兼ね備えています。

まさにプロとプロの戦い。実際に劇中でニールとヴィンセントが直接対峙し「俺の仕事は完全な犯罪を起こすこと。お前の仕事はそれを防ぐこと」といったようなセリフが吐かれるシーンもあります。

ニールはどこか北野武作品の主人公を思わせるところがあります。凶暴性とニヒルさを持ち合わせ、そしてほんの一つまみ人情味があってその人情味で結局身を滅ぼす。北野監督はこの作品から少なからず影響を受けているんじゃないでしょうかね?衣装のイメージなんかもカブるんですよね…。

ニールはある日イーディという女性と知り合って恋に落ち、最後の大ヤマを踏んで大金を手にしてから、引退して海外に逃げることを決意します。様々な障害をクリアして高飛びの成功を目前にするニールとイーディ。しかしながら、ニールは一つまみの人情味のために窮地に陥ることとなります。

すべてを捨てて逃げるニールと、すべてを背負ったまま追いかけるヴィンセント。両者の直接対決の行方やいかに?というところでお約束の逃げ口上。これ以上は実際の映像をご覧下さいm(_)m。

最初から最後まで緊張感が持続して3時間弱という長さが気にならない映画でした。見ごたえ十分でしたね。ツタヤの「発掘された名作」にもたまにはアタリがあるようです。
by lemgmnsc-bara | 2011-02-20 08:29 | エンターテインメント

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

by 黄昏ラガーマン
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