2010年 12月 22日
トップリーグ'10~'11シーズン観戦パートⅣ
当日のカードは東芝ブレーブルーパスvs神戸製鋼コベルコスティーラーズ、三洋電機ワイルドナイツvsサントリーサンゴリアスの2試合。好天、好カード、更には人気の大畑選手が秩父宮に登場するのは最後かもしれないという条件が重なり、キックオフ1時間前の時点で、すでにいい席はほとんど埋まっちゃってしまっているという混雑振り。
われわれのグループは11時20分ごろに入ったのですが、それでもバックスタンドの脇のほうにしか座れませんでした。
第一試合はブレーブルーパスvsスティーラーズ。共に日本一の経験のある強豪同士のぶつかりあいです。
試合開始後、まず攻め込んだのはスティーラーズ。しかし、ブレーブルーパスは懐の深い守備と、接点でのコンテストで勝り、なかなかゴールラインを割らせません。7連覇していた頃のスティーラーズだったら、いろいろな意味で巧いFWがしつこく絡んで、球を決定力のあるBKに回してあっさりトライを取っていたところでしょうが、残念ながら、今現在はブレーブルーパスの守備力のほうが上。スティーラーズが持ち込んだボールを奪い返すと、逆襲から一挙にトライ。相手の気持ちを一番萎えさせるパターンで先制します。
しかしスティーラーズは気持ちを萎えさせることなく攻め続けました。前半のうちに1トライ返して(ゴールは×)、7-5と喰らいつきます。
トップリーグでも有数の好バトルが展開されたスクラム。お互いに駆け引きを駆使するせいで、なかなかきれいに組めないし組んだ後の押し合いはほぼ互角でした。
ラインアウトもほぼ互角。何度かブレーブルーパスに乱れが見られましたが、致命傷には至らず。
後半はスティーラーズがゴール前のスクラムからのサイドアタックでトライを取り、逆転します。この時、スティラーズの7番はブレーブルーパスの6番のジャージをつかんで動きを邪魔しました。本来なら反則なのですが、こういうところの巧妙さ、悪く言えば小ずるさが全盛期のスティラーズにはあったんですよね。最近は小ずるさ以前に力負けしてしまうことのほうが多いですが…。
しばらくスティーラーズリードのまま試合は進みますが、ブレーブルーパスの守備は非常に堅かったし、ターンオーバーからの逆襲もたびたび見られました。
スティーラーズが攻撃を仕掛けてますが、守備側のブレーブルーパスのほうの陣形がしっかり整っています。なんとかこのディフェンス網を突破しようと試みるスティーラーズですが、相手の陣形を崩すどころか、逆にフォローの人数が足りなくなり、ボールキャリアーが孤立してはボールを奪われる、というパターンに終始していました。
結局この後2トライ2ゴールを奪い再逆転したブレーブルーパスが逃げ切りました。最終スコアは21-12。スティラーズは復活の道半ばというところでしょうか。来期は早稲田の山中選手などの有望新人が入社するそうですから、昔の強さの復活を望みたいものですな。
なお、大畑選手は試合後、スポンジボールを百個スタンドに投げ込みながら、グラウンドを1周しました。一時代を築いた選手の引退というのはさびしいものですが、いつかは通る道。仕方ありませんね。
第2試合は無敗で首位を走るワイルドナイツと、シーズン序盤でつまづいたものの、ようやくアタッキングラグビーが機能し始めたサンゴリアスとの対戦。
試合前に気合を入れる両チームですが、ちょっと遠すぎですね。
まずはサンゴリアスが得意の波状攻撃を仕掛け、ワイルドナイツ陣内に攻め込みます。右に左に何度も展開するのですが、恐らく今現在日本で一番接点の強いチームであるワイルドナイツの牙城をなかなか崩せません。フィットネス向上のための過酷なトレーニングを積んできたというだけあって、ターンオーバーまでは許さないすばやい集散ではあったのですが、なかなか前に進めません。散々突っ張っているのに相手の力士が一歩も後退しないってなところですかね。でも、すかしたり、いなしたりはしないで、オーソドックスに攻め、密集戦も泥臭くがんばってました。
しかし…、ワイルドナイツは王者の余裕でしょうか、あわてません。前の試合でスティーラーズ相手にブレーブルーパスが見せたのと同じように堅く守備を固めておいて、逆襲をねらい、狙い通りの逆襲から2トライ(1ゴール)を奪います。更にPGを1本決めて15-0で前半終了。当日のスポーツ新聞には強力な矛であるサンゴリアスが、強固な盾であるワイルドナイツを突き破ることが出来るか?と書いてありましたが、ワイルドナイツの盾の強さばかりが目立った前半でした。
新旧ジャパン代表がフロントを固める両チーム。スクラムはほぼ互角。サンゴリアスは今シーズン、昨年までほどにはスクラムへのこだわりがみられません。フロントローとしては、相手を豪快に押し込んで粉砕するようなスクラムをみせて欲しかったのですがね…。
ラインアウトもほぼ互角。お互いにマイボールはがっちりキープ。
サンゴリアスゴール前での攻防。接点での強さは一歩譲るものの、サンゴリアスのディフェンスもしつこかったですね。
後半に入ると、ワイルドナイツに負傷退場者が続出。トニー・ブラウン、ホラニ・龍コリニアシ、キャプテン霜村などが退いてしまいます。これに勢いづいたというわけでもないんでしょうが、サンゴリアスはフィットネス勝負を継続し、攻めまくります。前半からワイルドナイツ守備陣を突破できないながらも振り回した効果が出たのでしょうか、徐々に徐々にゴールに迫る力が強くなっていきました。ワイルドナイツは相変わらず、カウンター狙いで、接点でのコンテストを頑張っていましたが、サンゴリアスの運動量が守備力を上回り始めました。2トライ2ゴールを奪って15-14と1点差に迫ります。
なおも攻め続けるサンゴリアス。後半38分、その動きについていけなくなったワイルドナイツが自陣で反則を犯し、PGのチャンス。このPGをライアン・ニコラス選手が確実に決めて15-17と逆転。そしてそのまま逃げ切って勝利!!ワイルドナイツの連勝をついに止めました!
勝利はよかったのですが、まだ、サンゴリアスの目指すアタッキングラグビーは完成していないように思えますね。ワイルドナイツとはトップリーグのプレーオフ、そして日本選手権でも当る可能性が高いですから、アタッキングラグビーにより磨きをかけ、すべて勝って日本一にまで昇りつめて欲しいものです。
by lemgmnsc-bara
| 2010-12-22 22:58
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