2010年 09月 19日
トップリーグ'10~'11シーズン観戦パート2
このカードは順当にいけばサンゴリアスの楽勝カードなので、サンゴリアスファンの私にとっては勝利の喜びを味わいに行く試合。また、グレーガンとラーカムの元豪州代表HB対決も見ものの一つ。ところが、ライブ投稿でも書いたとおり、当日はラーカム欠場。リザーブにすら入っていませんでした。試合前から、少々ガックリ。
当日は所属チームのメンバーも10名近く集まり、ラグビー談義とビールと秋の夜風を楽しみながらの観戦となりました^^。
試合前のサンゴリアスのウォーミングアップ。
W杯で南アフリカを優勝に導いた世界の名将エディー・ジョーンズがチームをどう作り変えたかも興味の一つ。ジョーンズ監督采配下での試合を観るのは初めてですから。でも前回の試合ではトヨタヴェルブリッツに負けちゃったんですよね(><)。
先にも書いたとおり、私の中ではサンゴリアス楽勝カードだったのですが、案に反して試合は拮抗します。ブラックラムズには特に傑出した選手がいるわけではないのですが、全員が特にディフェンスで頑張っていましたね。
素早い集散でリサイクルにリサイクルを重ね、素早い動きとフィットネスで上回りたいサンゴリアスの攻撃を寸断し、しぶとく食らいついていってました。ワイルドナイツやブレイブルーパスのようにそこから逆襲するほどのしたたかさはありませんでしたが、それでもそのプレッシャーはサンゴリアスをあわてさせるには十分。密集での反則を誘い、そこで得たPGを確実に決め、まずは6点リードします。
サンゴリアスは自分たちの意図した攻撃が出来ない焦りからでしょうか、セットプレーでもミスが出ます。特にひどかったのがラインアウト。サイン違いか、スローワーのミスか、人がまったくいない場所に投げたりしてましたから。それも同じようなミスが3回くらいはあったと思います。写真のラインアウトはしっかりキープしてますがね。
前半のスクラムはほぼ互角。これもスクラム戦で優位に立ちたかったサンゴリアスにとっては誤算だったでしょう。マイボールを奪われる心配はありませんでしたが、敵ボールを奪うほどには圧倒できていませんでしたし、相手の3列の動きを遅らせることも出来ていませんでした。後半途中から池谷選手が入って、一度ターンオーバーをみせたのが唯一のスクラム戦勝利。日本代表の畠山選手はフィールドプレーで目立ってましたが、プロップはスクラムを押してナンボですからね。もっと圧倒的なスクラムを組んで欲しかったところです。
試合は、今年はフィットネス勝負に持ち込むことを宣言しているサンゴリアスが、その意図どおりにボールをつなぎまくって、相手を振り回して、最後は数的優位を作ってスピードのある選手で勝負という形を作り出してトライを奪い7-6と逆転しますが、その直後ブラックラムズがサンゴリアスのお株を奪うような連続攻撃をみせてトライを取り返します。難しい角度からのゴールも決まって7-13と再逆転。
ブラックラムズトライ後の1シーン。サンゴリアスの面々の胸中やいかに、ってところですな。
この後程なくして前半終了。以前圧倒的なランニングラグビーで覇権を握ったときのサンゴリアスも、後半からの追い込みが特徴的でしたから、後半はやってくれるだろう、と期待しながらのハーフタイム。
ところが、後半も先手を取ったのはブラックラムズ。いきなりトライとゴールを奪い、7-20までリードを広げます。
サンゴリアスはフィットネス勝負で展開を意図するのですが、フェイズを重ねる前に、攻撃が寸断され、決定力のあるプレーヤーにボールが回る前の段階でプレーが途切れることが多かったです。
サンゴリアスファンに「ちょっとヤバいかも…」という気持ちが芽生え始めた後半15分過ぎから、ようやくボールがつながり始めます。まず平選手が1トライ返してゴールも決まり14-20。その後小野澤選手がトライを決めて19-20。試合が白熱し始めます。しかし、ボールの支配率で上回りながらも、ブラックラムズのディフェンス網を切り裂くまでには至りません。明らかに運動量の落ちてきていたブラックラムズでしたが、勝負にかける執念というものの大切さを教えてくれました。人間、気持ちさえあれば頑張れるんだ、ということを目の当たりにしました。
しかしながら、最終的には、気力では追いつかない差というものもあるんだということをみせてくれたのがサンゴリアス。これでもかこれでもかのボールリサイクルでブラックラムズを振り回し、最後は平選手がトライ。ゴールも決まって26-20と再々逆転。こういう展開を最初からみせて欲しかったですな。ヒヤヒヤするために秩父宮までいったわけじゃないんですから^^;。
この時点で時計は39分過ぎ。サンゴリアスの勝利はほぼ確定したと思われましたが、最後の最後、ブラックラムズが執念をみせます。ゴール前に迫ると、徹底的なピック&ゴーでサンゴリアスを文字通り釘付け。死闘と呼ぶにふさわしいファイトを延々5分以上も繰り広げます。ここでトライを決められてしまっては逆転サヨナラ負けですから、サンゴリアスも必死に守ります。この攻防は見ごたえありましたねぇ。技術とかなんとか言う以前の肉体の力と、意地のぶつかり合い。格闘技としてのラグビーの醍醐味をみせつけてくれました。
この息詰まる死闘を制したのはサンゴリアス。ぶつかり合いで負けることなくしのぎにしのいで最後は相手の反則を誘いました。ペナルティーキックをタッチに蹴出してノーサイド。秩父宮全体が安堵と落胆のため息に包まれました。
最後まで競った試合だったので、展開的には面白かったのですが、サンゴリアスの戦いぶりには不満と不安が大いに残りました。この程度の相手に接点で互角のコンテストをされていたら、優勝なんてとても覚つきません。この日は接点のキーマン、ライアン・ニコラス選手を欠いていたとはいえ、もっとスムーズに展開できないと、ワイルドナイツやブレイブルーパスの相手にはならないと思います。まだ各選手がエディ・ジョーンズ監督の目指すラグビーを消化しきっていないってところでしょうか。日本のトップアスリートたちの集団であっても、世界の水準に到達するにはまだまだ時間がかかるってことでしょうかね。ま、今後に期待しましょう。
by lemgmnsc-bara
| 2010-09-19 08:29
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