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『恐怖と愛の映画102』を読んだ

恐怖と愛の映画102

中野 京子 / 文藝春秋

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ドイツ文学者中野京子氏による、映画エッセイ集。昨日紹介した『ファイト批評』とは真逆で、すべての映画を観たくなるような書き方になっています。まあ『ファイト批評』の方は、雑誌に連載していた当時に公開していた映画を著者の好みに関係なく観て批評したものですが、こちらは、著者が好きな映画をある程度絞り込んで批評しているわけですから、誉める場面が多くなるのはある意味当たり前なんですけどね。

氏はドイツ文学の他、西洋文学史も研究領域としているそうですので、ヨーロッパの映画を中心に論じられるのかと思ったらさにあらず。ハリウッド、日本、韓国、台湾各国の映画を幅広く紹介しています。

残念ながら廃盤になっているものが結構多く、この本で紹介されている作品をすべて観ることはできないんですがね。『アマデウス』や『逃亡者』など以前に一度観た作品でも氏のエッセイを読むと、もう一度観たくなってくるから不思議です。

観たことのない作品の中でまず観てみたいと思ったのは『インファナル・アフェア』ですね。この本で紹介されているのは『Ⅱ無間地獄』なんですが、まずは1作目から観ようと昨日早速借りてきちゃいました。

1冊の本で102本もの映画を紹介しているので、一つ一つの評は非常に短いのですが、しっかりエッセンスは盛り込んで、しかも興味を外さない書き方をしていました。紹介されている作品も興味深かったですが、それ以上に、氏の文章の巧みさに惹かれましたね。今後、自分が映画の感想を書く時に参考にしたい文章がずらりと並んでいました。
by lemgmnsc-bara | 2010-07-18 20:08 | 読んだ本

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