2010年 03月 23日
『タイタンズを忘れない』鑑賞
デンゼル・ワシントン主演のアメフト映画。実話に基づいたストーリーとのことです。
舞台は1971年のヴァージニア州のTCW高校。この高校は地域で初めて黒人生徒を受け入れることとなります。当然のことながらアメリカンフットボール部も白人と黒人の混合チームとなりますが、お互いにお互いを理解しようとはせずいがみ合っていました。
そこに現れたのが黒人のコーチ、ブーン(デンゼル・ワシントン)。彼もまた、従来からいた白人の名コーチ、ヨーストと小さな衝突を繰り返しながらチームを強化しようと全力を尽くします。
人種の壁とスポーツによるその克服…。このテーマだとどうしても『インビクタス』を思い出しちゃいますな。ただ、『インビクタス』の方は、ネルソン・マンデラ氏の政策にスポットが当てられており、ラグビーのチームを具体的にどのように強化していったのかについてはほとんど触れられていませんでした。『タイタンズ~』の方は、スポーツ寄り。ブーンが時には傲慢で冷徹な独裁者となって、チームを根本から叩き上げる姿が描かれます。一方でブーンはチームの融和を図るために、黒人と白人を強制的に同室にしてお互いのことを会話させたり(お互いがお互いのことを知り合うまでは厳しい練習を1日に4回課すという罰則まで設けたんです)、南北戦争の決戦地ゲティスバーグに連れて行って「お互いわかり合えなければ私たちもここで終わりだ」とアジったりもします。
私にも経験がありますが、チームを一つにまとめるには言葉だけでなく、同じような苦しみや喜びを味わったのだという共感、いわば戦友意識とでもいうようなものを醸成することが一番です。厳しい練習の日々を重ねるうち、チームには一体感が生まれ、白人も黒人もなく、一人一人がチームの一員であるという意識が生まれていきます。こうした一体感を疑似体験することは、チームスポーツを題材とした映画を鑑賞するときの一つの快感ですな。ある試合の前に、チームの全員で話し合って、フィールドに入場する際に独特のダンス(アフリカ系黒人の部族の踊りに良く似たフリツケでした。ちょっとドリフのズンドコ節にも似てましたが^^)を踊りながら行進し、試合前の士気を高めていくシーンなんてのは自分が試合に出る前のようにワクワクしちゃいました。
一つのチームとなったタイタンズは白人オンリーのチームを撃破し続け、ついには地区大会決勝までコマをすすめます。この快進撃は高校近辺の人々の心をも動かし、徐々に白人黒人お互いの反目も薄れていきます。このストーリー展開にも素直に感動しておきましょう。スポーツには愛国心(この場合は愛地域心ですかね)を高め、そこに住む人々の気分を高揚させる効果があります。ファシズムにつながる危険性は否定できませんがね…。高校野球で自分の出身県のチームを応援したくなるようなもんですな。
決勝戦を目前にしたある夜、チームを悲劇が襲います。チームを襲った悲劇とは?チームははたして優勝できるのか。という訳でお約束の逃げ口上。これ以上は実際の映像をご覧ください。m(_)m。
筋立ては、「いかにも」っていう映画だったんですが、体育会系の私としては素直に感動できる作品でした。
by lemgmnsc-bara
| 2010-03-23 20:06
| エンターテインメント