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『蜘蛛女のキス』鑑賞

1/31(日)は標題のミュージカル鑑賞に行きました。都民演劇鑑賞補助金に当選したためで、普通なら12000円するS席の半額を補助してもらえるからです。開催場所は池袋の東京芸術劇場。

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この劇場の内部に入るのは久しぶりです。最高権力者様はクラシックのコンサートなどでちょいちょい来てますが、私は12,3年ぶりでしょうかね。確か、仕事の関係でチケットを安く手に入れることの出来た『仮名手本ハムレット』という芝居を観に来たと記憶しています。

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『蜘蛛女のキス』という作品は本でも読んでいるし、何年か前にシアタープロジェクトトーキョーという劇団が舞台化したものも観ています。ちなみにその時の舞台は元男闘呼組の高橋和也が出演していました。ほとんどが登場人物二人の会話だけで成り立っているこの物語を、どうやってミュージカルに仕立て上げるのだろう?と開演前から興味津々。

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非常に荒っぽく言っちゃうと、おすぎと一緒に牢獄に閉じ込められた政治犯の物語です。さすがに荒っぽすぎるのでもうちょっと詳しく説明しましょう。投獄された政治犯のヴァレンティンはホモセクシャルのモリーナと同房になります。思想信条がまったく合わない二人ですが、モリーナは自身が観た映画の話をしゃべり続けます。最初はしゃべり続けるモリーナに辟易としていたヴァレンティンですが、体調を崩したときに献身的に看病してくれたことからだんだんと打ち解け、付き合いを深めていきます。実はモリーナ自身の釈放を交換条件にヴァレンティンの身辺を探り、仲間の名を聞きだすという役割を負わされていたのでした。しかし献身的な生活を続けるうちに、お互いの間に愛が芽生えていきます。性別を越えた愛というのがこの物語の大きなモチーフなのですが、どう考えてもミュージカルに仕立て上げられた姿の予測がつきませんでした。

休憩時間中のロビー。値段が結構張るにもかかわらず、ほぼ満席でした。

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百聞は一見にしかずとはよく言ったもの。モリーナが語る、豪華絢爛な映画の世界が歌と踊りで見事に表現されていました。映画のヒロインを演じる金志賢嬢の歌とダンスはホンモノ。さすがに劇団四季で鍛えられただけのことはありますな。モリーナ役の石井一孝氏もいわゆるふざけたオカマではなく「心は女」という役を演じきっていましたね。途中でアドリブを入れて笑わせるところなどは、原作とも以前観た芝居とも違う、新しいモリーナ像でした。

ミュージカルの舞台を生で観るのは3度目ですが、なかなか興味深い表現形式ですな。歌もダンスも入るので、普通の演劇よりはるかに派手です。歌が入るときは登場人物の感情が高まった時だというのはわかりやすくていいです。反面、結構な人数が様々にダンスを繰り広げるので、一体誰に焦点を合わせて観ていたらよいのか戸惑ってもしまいます。特に今回のようにさほど舞台が広くない場合は余計に目移りしちゃいますな。よく、芸能人が「最終的にはミュージカルに挑戦してみたい」というのは理解できる気がします。歌もダンスも演技力もすべて必要ですからね。そこらのジャリタレに軽々しく目標にして欲しくない表現形式ですな。

ただし、やはり値段が高いのが泣き所。シングルインカムのサラリーマン家庭ではそうそう簡単に1枚1万円以上するチケットには手が出ませんね。歌舞伎なんかにも言えることですが…。この公演も3000円の席があることはあるんですが、「一部舞台が見えない場合があります」と明記されていてちょっと幻滅。3000円くらいならお手ごろなんですがねぇ。

ミュージカルのみならず、しばらく生の演劇の舞台から遠ざかっていたので新鮮な感動でした。今後も機会を見つけて観劇に勤しみたいと思います。
by lemgmnsc-bara | 2010-02-04 20:40 | エンターテインメント

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