2009年 12月 31日
『ザ・マジックアワー』鑑賞
年末年始の巣篭もり用に借りてきたDVDのうちの一枚。三谷幸喜脚本・監督ならまったくのはずれというのはないだろうという予測の下、最高権力者様がセレクトされました。
ある港街、守加護(すかご=シカゴのもじりでしょうね)を牛耳るマフィアのボスの情婦に手を出してしまった、その子分のキャバレーの支配人。二人の裏切りに激怒したボスは二人を殺すことを別の手下に命じますが、支配人はデラ富樫という正体不明の伝説の殺し屋を探し出してくることを条件に情婦と共に窮地を脱します。
デラ富樫の手がかりすらつかめない支配人は、窮余の策として、映画の撮影であると偽って一人の俳優をデラ富樫に仕立て上げることを思いつきます。
あくまで映画の撮影と信じて疑わない俳優と、その正体を怪しむマフィアのボスとその手下たち。支配人はめまぐるしくたちまわり、綱渡りの連続でなんとか双方を欺き続けます。この辺の綱渡りの危うさとドタバタが見もの。くすくす笑いを誘うさまざまなくすぐりが多数仕掛けてあります。
何といってもおかしかったのは外国のマフィアとの取引シーン。お互いに取引に違反していたことで銃撃戦となるのですが、実際に飛び交っているのが実弾とは思っていない俳優が、銃弾を全く恐れずに派手に立ち回って、ホンモノのマフィアは彼のことを命知らずのすごいやつと信じ込んでしまうところですね。なんとか穏便にコトを収めたい支配人の思惑に反してどんどんと騒動が大きくなっていってしまいます。この辺のハナシのもって行き方が三谷氏ならではの巧妙さ。多少ご都合主義なところがなくもなかったのですが、リアリティーの範囲内でした。
ある日、俳優は組織にとって不都合な事実をつかんでいる会計士を殺すことを命じられます。俳優に実際の人殺しをさせるわけにいかないと支配人が奔走した結果、すべてがばれてしまい、再びすべての人間が殺されそうになるところを、情婦がなんとかボスのご機嫌を取り結んで命を救います。
ボスの元に囚われの身となっている情婦を救い出すために、支配人は俳優に再度依頼するのですが、だまされたことを知らされた俳優は当然のことながら怒り、東京に帰ってしまおうとします。しかももう俳優を辞めると宣言して。
一生を、嫌いなボスの元ですごさなければいけない情婦を、何とか救おうとする孤立無援の支配人に打つ手はあるのでしょうか?一方俳優は昔自分があこがれていたアクション俳優にしていまはしがないエキストラ役の老人と会い、彼の話を聞いてもう一度俳優として生きて行こうと決意します。で、もう一度ボスをだまそうと、映画の仲間を呼び出して様々な仕掛けをほどこしてボスをおびき出すのですが…。
最後の最後でどんでん返しが待っています。しかも2回。いつもの逃げ口上ですが、これも実際に観てくださいとしかいえませんm(_)m。
全体を通して佐藤浩市の勘違い振りはなかなかコミカルでした。その他では西田敏行ですね。普段はコミカルな役が多いですが、この映画では冷酷無比なマフィアのボスを好演していました。取ってつけたような怖さではなく、ちゃんと役に見合った迫力を出してました。さすがです。
最高権力者様の予想通り、はずれではありませんでした。そこそこ笑える映画だったと思います。
by lemgmnsc-bara
| 2009-12-31 14:35
| エンターテインメント