2009年 11月 06日
TL観戦4度目
第1試合はリコーブラックラムズvs九州電力キューボルツ。この試合、ちょっと遅れて入場したのですでに始まっちゃってました。前半5分の段階で0-10でキューボルツが勝ってました。思えば、一昨年、ブラックラムズのチーム創設以来の下位リーグ落ちを決定付けた相手がこのキューボルツでした。かつての名門リコーも落ちるところまで落ちた、という印象を世間に広められてしまった相手です。そんなこともあって、今日も劣勢が続くのかと思って観ていたら、さにあらず。開始早々のトライとPGはいわばラッキーパンチみたいなものだったんでしょう。最初はじわじわと、そしてやがてかなりの勢いで試合を優位に進めます。
スクラムは互角。いや、ブラックラムズがよく組んでいたというべきでしょうか。キューボルツは昨年東芝ブレーブルーパスと互角に渡り合ってましたからね。
ラインアウトも互角。
つまりセットピースでは決定的な差はつかなかったということになります。
差がついたのは、ディフェンス力。キューボルツはブラックラムズのBKにいいように走られてしまったという印象を残しました。CTBの金沢に3トライも許してしまいましたからね。それもちょっとステップを切られただけで抜かれてしまう大甘ディフェンス。「もっとしっかり相手の下半身にタックルいかんかい!!」とどやしつけてやりたくなるような惨状でした。ブラックラムズに決定力があったわけではなく、キューボルツが勝手に点をくれてやったようなものです。
対してブラックラムズは、元豪州代表ラーカムを中心に粘っこくディフェンスしてました。「ここを抜かれたらヤバい」というところには必ず彼が駆けつけてきてましたし、キック処理も確実でした。「ここぞ」というときにはポジションチェンジしてSOの位置に入り、ライン全体を動かすというダイナミックなプレーも見せてくれました。相変わらず、すぐ頭に血を上らせて、相手につかみかかるような場面もありましたがね^^;。
ゲームは27-17で前半を折り返したブラックラムズが後半2トライ2ゴールを加え、相手には得点を許さずに、41-17で勝利。囲碁で言うところの中押し勝ちってところでしょうか。ブラックラムズは快勝ではありますが、リーグ上位チーム(三洋、東芝、サントリー等)には残念ながら通用しそうもありません。守備はそこそこ堅いんですが、攻撃の決め手がないように感じました。この試合は、先ほども書いたとおり、相手が勝手にディフェンスをミスってくれただけです。ラーカムが本来のSOで出場できるような、強力なFBが欲しいところですな。
第2試合はサントリーサンゴリアスvsクボタスピアーズ。
この試合は第1試合とは打って変わって守りあいになりました。特にスピアーズのしつこい守りが目立ちました。一気にトライを狙うような大胆な、それゆえ自陣に隙が出来やすい仕掛けはせずに、とにかく早くディフェンスラインを敷いて確実に守る。そして、密集で飽くことなくコンテストして、相手の反則を誘い、SOドゥラームにPGやDGを狙わせる、という戦法がみごとにハマっていました。
前半はサンゴリアスが1トライ2PGの11点、スピアーズが1トライ1ゴール1PG1DGの13点とスピアーズリードで折り返します。レベルはまったく違いますが、イングランドを思わせるような戦い方でしたね。イングランドも、特に南半球の強豪と対戦する場合は、徹底してFW近辺でのコンテストにこだわり、得点は天才SOウィルキンソンのPG、DGであげるという戦法を取ります。観ていて面白い試合ではありませんが、勝ちということに徹底的にこだわるなら、そういう戦法もありでしょう。
まったくの互角だったスクラム。トップリーグでも屈指の強さを誇り、まずスクラムでの圧倒を図るサンゴリアスが押し切れませんでした。
ラインアウトもほぼ互角。相手のボールは取れないまでも、マイボールはしっかりキープ。お互いにミスの少ない好ゲームでした。
試合は後半、サンゴリアスが新人LO真壁のトライで逆転。コンバージョンも決まって18-13。数少ないチャンスを見事にモノにしました。先日の投稿でも書きましたが、サンゴリアスは今年はとにかくフィットネス重視で、走り勝つラグビーをするためのトレーニングを積んできたそうで、その努力が結実したトライでした。あそこでLOがフォローして、しかもそのまま走りきってしまうところが凄い。この試合の中では一番スリリングなシーンでした。
試合はこの後、守りに守って、相手の反則を誘う「イングランド方式」を両チームが採用し、すっかり地味な展開となりました。サンゴリアスが2PG、スピアーズが1PGを追加し、最終スコアは21-16でサンゴリアス勝利。今年のスピアーズはトップリーグ昇格後初めて神戸製鋼に勝つなど好調だったし、守備の堅さは三洋や東芝にひけをとらないし、ということで前半戦の一つのヤマでしたが、渋い試合ながらもなんとかサンゴリアスは勝利しました。欲を言えば、こういう相手と戦っても、最後の最後にはトライを量産するような試合を見たかったですな。それだけのタレントはそろっているはずですから…。↓の写真はサンゴリアスのBKライン、12番ニコラス、13番平、11番小野澤とすべてジャパンなんですよ。全部で9名もジャパン候補にはいっているんです。
シーズンの深まりと共に、チームとしても熟成していくことを願って止みません。
by lemgmnsc-bara
| 2009-11-06 20:56
| ラグビー関連