2009年 08月 02日
『テースト・オブ・苦虫』(2・3)を読んだ
先日、池袋のリブロでの大衝動買いの際に標題の書の第3巻を発見し、早速購入。そういえばまだ第2巻を読んでいなかったな、と気づいて本棚をあさり、2巻、3巻を連続して読みました。
内容は抱腹絶倒のエッセイ集。パンクミュージシャンといえば、乙にとりすまして、格好をつけた生活を送っているものという先入観があったが、さにあらず。自分で飯を炊いたり、うどんをゆでたりといった日常が語られています。飲む酒も日本酒か焼酎(それも恐らく安い甲類)。
まあ、恐らくは意図的にそうした生活臭を「演出」しているのだとは思いますが、町田氏独特のノイジーな文体と相俟ってパンクなのに変にうらぶれた日常が語られます。
その他、言葉の遊びとしてことわざを誤読して、それに奇天烈な解釈をつけるなどという「実験」もやっています。例えば「杉樽は猶およば猿がゴト師」(意味は通常つくらぬ杉を材料にした樽をこしらえるなど奇をてらうことは不器用なおよば猿がいかさまパチンコをやるようなもので決して上手くいくはずがない)、「精進、換気よして、麩、善を茄子」(精進料理を食べているときは換気を良くしないと麩が食卓全体を茄子のような紫色に染めてしまうだろう)など。ちなみに3巻では往年の流行歌の歌詞で同じような「実験」を行っています。
全体的には、昔の筒井康隆氏のエッセイをもっと騒がしくした感じとでもいったらよいのでしょうか。とにかく笑えました。ここのところ資格試験の勉強で煮詰まっていたのでいい気分転換をさせてもらいましたね。
by lemgmnsc-bara
| 2009-08-02 06:50
| 読んだ本