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『淀川長治とおすぎの名作映画コレクション』を読んだ

淀川長治とおすぎの名作映画コレクション

杉浦 孝昭 / 講談社

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今週は京都に2度も出張(一度は一泊、今日は日帰り)したので、往復の電車の中と、宿泊先のホテルでたくさん本を読んじゃいました。感想文が追いつかないくらいです。で、順不同に、とりあえず書きやすそうな感想文から書いていくことにします。

ブログにも何度か投稿していますが、最近当家では映画を観に行ったりDVDを借りてきて休日を過ごす、ということが結構増えています。DVDを借りるときに何を借りていいか迷ってしまうので、なにかいいガイドブックはないかとつねに頭の隅に引っかかっていたのですが、つい先日、見つけてしまったのが標題の本。たしかこの二人、『広告批評』で対談形式の映画評論やってたよなぁ、というのも記憶の片隅にありました。

さて、本の内容ですが、スウェーデン映画から北野武監督作品まで、様々な映画が24本取り上げられています。基本的にはおすぎが貶して、淀川さんが誉める、という両者の普段の生活態度をそのまま反映させたパターンで対談は進んでいきます。

唯一淀川さんがけちょんけちょんに貶しているのが『シンドラーのリスト』。映画を誉めることを商売にしてきた人が、しかもアカデミー賞まで獲った作品をここまで貶すのも珍しいなぁと思って読んでました。私はまだこの作品を観たことがないので、逆に是非観てみたいという気にさせられましたね。あるいは、そういう「反発」みたいなものを狙った屈折した賞賛だったのでしょうか?まあ、作品を観てみないとなんとも言えません。逆に何かと話題が先行した『マディソン郡の橋』なんかは好意的に扱ってました。一般の評論家は得てして、「話題作」と言われる作品に対しては辛目の点をつけるものですし、実際におすぎなんかはいつもの調子でかなりクサしているんですが、淀川さんはとりあえず誉めてます。ただし、私個人としてはあまり興味を惹かれませんでした。

その他観たいと思ったのは北野武監督の『みんな~やってるか!』。これは淀川さんが、ギャグを手放しで誉めています。『シンドラー』とは真逆の意味で観てみたい作品です。

その他、杉浦氏(おすぎ)の博識さには感心させられました。ただのオカマタレントかと思っていましたが、さにあらず、「ダンテの神曲くらいは読んでおかないと、このシーンは理解できない」とか「このシーンは主人公をキリストになぞらえている」とか、ただ漫然と映画を観て貶しているのではなく、きちんと勉強しているんだな、ということを認識させられました。もっとも本格的に表現というものについて言及してメシを食おうと思うのならオカマであろうとなかろうときちんと勉強しておかなきゃいけないってのも事実でしょうけど…。

ちなみに『蜘蛛女のキス』という作品は本でも読みましたし、今は閉鎖されてしまった「ベニサンピット」で芝居としても観たのですが、映画だけはまだ観ていません。これも映画を観て、本や芝居とどう違うのか比べてみたい気がします。
by lemgmnsc-bara | 2009-07-10 22:22 | 読んだ本

映画、演劇、お笑い、あまり肩の凝らない小説等々…、基本的にエンターテインメント系に特化したブログにします。

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