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大相撲新世紀 2005-2011 (PHP新書)

坪内 祐三 / PHP研究所

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評論家坪内祐三氏が大相撲にハマッっている日常を書き記したのが標題の作。私は今後の大相撲をどう変えていくべきかについての内容を期待して購入したのですが、そういう意味では期待はずれ。

八百長問題が表面化して以降、どうも素直に相撲を観ることができません。琴奨菊にしても稀勢の里にしても、カネで地位を買ったんじゃないだろうか?とか琴欧洲はカネを使わなくなった途端に弱くなったんじゃないのか?という変な色眼鏡で見る癖がついてしまいました。ウチのラグビーチームには大学時代相撲部だったという奴と、相撲どころ青森の出身の奴がいるのですが、こいつらが「朝青龍の全盛期は本当にすごかった」などと熱く語っているのを聞いても、つい横から「あれはほとんどカネで買ってたんだよ!」と突っ込みたくなってしまいます。いまの土俵上でどれだけのガチンコ勝負がなされているのかわかったもんじゃないよ、っていう見方しかできなくなっちゃいました。

坪内氏は全面的に相撲支持派。八百長の内幕を暴露したライターの武田氏を厳しく批判しています。7勝7敗で千秋楽を迎えた力士にはすでに勝ち越しを決めている力士は勝ちを譲る、という「暗黙の了解」まで含めての相撲だ、というのが坪内氏の主張。また大麻の問題で追放された露鵬と白露山に対しても、他に大きな問題を抱えた相撲協会が、外国人だからという理由で、世間の目をそらすために罪を擦り付けたとして同情しています。

なるほど、そういう見方もありか、というのが正直な感想。坪内氏の「鑑賞眼」がどれほどのものかは判断がつきませんが、一場所に二回は実際に土俵を観に行っている氏は、一度も本場所の土俵を生で観たことの無い私よりは上でしょう。今の私は、坪内氏の言が嘘か真かを論じられる立場にはないのです。

いずれにせよ、私が見たいのはガチンコの真剣勝負。そして力ではなく技で外国人力士を凌駕する日本人力士の姿です。単純なパワーだけ言ったら外国人の方が強いってのはラグビーを通じていやになるほど理解しています。しかし、相撲ってのは力だけの勝負じゃないはずです。日本人の三役力士にはせいぜいがんばってもらって、はやく一人横綱状態を脱してほしいものです。



廃墟に乞う (文春文庫)

佐々木 譲 / 文藝春秋

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佐々木譲氏の直木賞受賞作品。腰巻の文字に釣られて衝動買いしました。

主人公はある事件がきっかけで精神的にダメージを受け、休職中の北海道警の刑事仙道。仙道は敏腕刑事として名が知られており、休職中だというにもかかわらず、伝手をたどってきた人々から、難事件の解決を依頼されます。まったく、休職中の人間に仕事を依頼するとはなんという人たちでしょう。血も涙もないとはこのことですよ、まったく(苦笑)。仕事ができない状態だから休職してるってのに…。経験者の私が言うんだから間違いありません(笑)。

さはさりながら、この設定はなかなかよく考えられています。腕利きではあっても、警察官としての権限はない。それゆえ、現場に立ち入れないなどの不便さを生じるのですが、逆に法律の枠に縛られずに自由に動くこともできる。北海道各地の景色や人情なども微妙に織り込んで、作品の味付けにしているところも巧みです。

巧みといえば、仙道が休職する原因となった理由を最後のオハナシまで引っ張るところもそうです。ただ、種明かしそのものはあっさりしすぎていてちょっと拍子抜けしました。もっと詳しい心理描写があってもよかったような気がします。ちょっと食い足りない描写の後、すぐに仙道のPTSD症状のほうに話がいってしまったのがいかにも残念。まあ、精神的な原因で休職する場合、それこそ寝床から指一本動かせないような状態の人もいれば、私みたいに仕事以外の日常生活はきちんとこなせる奴もいるわけで、まあこの辺はリアリティーの範囲内ですかね。

直木賞受賞作らしく、謎解きよりも、罪を犯すに至った登場人物たちの心理描写の方に重点が置かれていました。密室などの「物理的」な謎はパズルを解くのと大差ありませんが、人間心理の奥に踏み込んでいって、そこに隠された謎を解くのは容易ではありませんね。それゆえエンターテインメント作品のテーマにもなるくらい興味深くもあるのですが…。

私は浅学にして知りませんでしたが、佐々木氏はこの分野の作品を書き続けて30年にもなるベテランだそうですね。ご本人も直木賞受賞については「長い間書き続けてきたご褒美としてもらった」と語ったそうです。刑事モノの職人の手練の手並みを見せていただいたというところでしょうかね。


5/21(月)第22回みなとスポーツフォーラムに参加してきました。

今回の講師はラグビー日本代表GMの岩淵健輔氏。日本代表経験もあるし、イギリスのチームでプレーしたこともある国際派です。

氏は冒頭、自身のミッションにつき、「今までの点であった指導体制をいかに線にしていくか」とおっしゃっていました。今までの日本代表は監督が替われば、選手の選考基準から練習方法まですべて一変してしまい、過去の財産を蓄積し、事後に活かすノウハウがなく、結果として強豪国と対戦するときは同じ失敗を繰り返して負け続けてきたという「歴史」があります。1分3敗で終わった昨年のワールドカップをどう反省し、今後の強化につなげていくのか?強く興味を惹かれながら講演を拝聴しました。

しかしながら、冒頭の期待は見事にスカされました。今まで高校日本代表、U18、U20などの各レベルの代表に一貫した指導方針が無かったのを改善し、日本代表に至るまで同じ方向を目指すための体制が整った、ということだけはよくわかりましたが、強化の具体策が見えてこなかったんです。

各レベルの指導者たちが緊密な連携を取り、最終的に国代表の強化につながるよう努力していこう、という体制が整っただけでも大きな進歩ではあるのですが、もう一歩踏み込んで、具体的な対策まで解説してほしかったというのが本音です。

例えば、氏は後半20分過ぎからの失点が多いというデータを挙げ、この20分をしのげないことが強豪国との差だと述べ、体格差とフィットネス不足をその原因としていました。これはそれこそ日本にラグビーという競技が伝来したときからわかっていたことです。もちろんその壁が高いのは理解できるのですが、ではその壁をどうしたら乗り越えることができるのか?についてのオハナシが曖昧なままでした。体格差で圧倒されて守備に回る機会が多くなるため、どうしても最後で息切れを起こす。従ってなるべく攻撃に割く時間を多くするためにアグレッシブなラグビーを目指す、という方針は語られましたが、ではアグレッシブなラグビーをするためにはどんな要素が必要なのか?どんな選手を選んでどんな強化策を打つべきなのか…、見事なまでに言葉を濁してましたね。

今までの日本代表チームだってサボっていたとは決して思いません。必死にプレーした結果がワールドカップ通算1勝2分21敗という成績なのです。その必死さの方向が間違っているのか?それとも必死にやっても追いつかないのか?この問題を先送りにしていても2019年に日本で開催されるワールドカップは待ってくれません。

まあ、まだ彼は就任して日が浅いこともあるし、立場上言えないことも多々あるでしょうから、現在のところは仕方ないとしましょう。しかし、いずれは細かい戦略も含めて詳細に解説していただく場を設けてほしいものだと思います。「みなとスポーツフォーラム」というのは本来そういう場であるべきイベントだと思います。

今は新監督のエディー・ジョーンズ氏の手腕に期待するのみですね。



楊令伝 12 九天の章 (集英社文庫)

北方 謙三 / 集英社

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楊令伝12巻目。ストーリーの分量から言えばちょうど八分目。話の展開も、人物の描写も一番脂が乗っているといったところでしょうか。

今巻ではほぼ勢力図が固まります。梁山泊、金国、南宋、それに岳飛率る岳家軍、張俊を頭にいただく張家軍、そして最後は西遼という国が誕生します。このうち梁山泊、金国、西遼は盟友関係にあります。また岳家軍と張家軍は南宋の流れをくむ勢力なのですが、なぜか南宋には合流しません。あくまでも独自の軍閥として兵力を蓄えていきます。

そんな中、金国の一人の将軍が独断で梁山泊の商隊を襲うという事件が勃発します。このとき、金国の将軍は楊令に対し「商売するために仲間を犠牲にしてきたのか?!」という罵倒を浴びせかけます。今でこそ商いというのは卑しい職業でも何でもありませんが、古代、中世の中国においては商業というのは蔑まれていた職業でした。「モノを右から左へ動かすだけで利を得る、ずるい職業」という思想に支配されていた時代だったのです。替天行道という大層な理想を掲げて、宋に対して戦いを挑み、そしてその軍を打ち破ったのは、そんな卑しい行動のためなのか…?、という問いは現在の我々にはちょっと想像のつかない最大の蔑み言葉ですね。もっとも当の楊令も梁山泊の執政部も別にそのことを恥じる風はないように描写されていますがね。時代の先端を行く施策を打ち続ける存在は常に旧勢力の批判にさらされる、というのは古今東西変わらぬ現象のようです。この件に関してはあくまでも将軍の独走ということで、金国が梁山泊に謝罪することで一応の決着を見ますが、梁山泊と金国は盟友であっても一心同体ではない、という記述は後々なんらかの形で利いてくるんでしょうね。

陰に陽に大小さまざまな戦いが繰り広げられるのも今巻。梁山泊の諜報部門の一人のエースであった燕青は青蓮寺の強敵と戦い、苦戦の末に敵を打ち倒すものの、自身も失明してしまいます。また渋い脇役として内政に従事していた杜興は元々の主筋の娘李媛をいさめるために自死します。そしてなんといっても今巻のクライマックスは双頭山攻防戦における鮑旭の戦死でしょうね。原作の水滸伝では、盗賊の頭目として梁山泊に参加し、時に残虐な方法で人を殺すような小悪党として描かれていた鮑旭は、仲間を助けるために、数千の敵軍に一人で突入し、文字通り獅子奮迅の戦いぶりを見せた後、体中に矢を浴びるという壮絶な死に様を見せます。水滸伝の最初の方では、原作以下のならず者だった鮑旭がこんなカッコよく死ぬとは…。北方氏の筆の行方はまったく予想がつきません。

楊令が、自分の理想とする国家を打ち立てるまでにどれだけの苦難が待っているのか?どれだけの血が流されるのか?ますます結末が気になってきました。



完四郎広目手控4 文明怪化 (集英社文庫)

高橋 克彦 / 集英社

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出ると買い作家の一人高橋克彦氏の「完四郎」シリーズ4冊目。

明治維新後の文明開化の世の中を舞台に、アメリカ帰りの香冶完四郎が幽霊や物の怪といった怪異の謎を解き明かす、探偵もの。ワトソン役の仮名垣魯文とのコンビも円熟味を増してきました。今巻には手品師松旭という味のある脇役も登場。手品師ならではの視点で怪異のからくりを暴く手助けをします。

今巻は事件の発端は東京日日新聞とその派生版であるスキャンダラスな瓦版に取り上げられた記事からというパターンです。文明開化の世の中とは言いながら、まだまだ幽霊や物の怪といった「迷信」への信仰も色濃く残っていた明治初期。各地で物の怪たちが起こしたと思われる怪事件が発生します。完四郎はその地に魯文、松旭とともに出掛けていき、事件の裏にあるからくりを見事に暴き出して見せます。めっぽう剣の腕の立つ完四郎は、洋行帰りらしく、立ち回りをステッキでやるところがスマート。天に成り代わりて悪を討つ、というスタンスではなく、あくまで真実の追及を主とし、その過程で降りかかってくる火の粉を振り払う時にだけ、仕方なく剣の腕を振るう。お洒落ですねぇ。

一方で完四郎は生まれたばかりの「新聞」というものを従来の瓦版とは違う、公正なメディアとして育てていくべきだとの信念を持ち、センセーショナルな記述に走りがちな記者諸氏の暴走を食い止める役割をも担います。元々武士を捨て「広目屋」(今で言う広告業者)で糊口をしのいでいた身分に似合わない冷静さです。元々の明晰さに加えて西洋流のジャーナリズムに触れたことが完四郎の「先進性」の見事な解説になっていますね。

このシリーズは今後も続くのでしょうか?人情味にあふれ、すぐに熱くなる魯文とあくまでも冷静な完四郎の名コンビにはまだまだ活躍してほしいものです。





穴らしきものに入る (角川ホラー文庫)

国広 正人 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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日本ホラー小説大賞の短編賞を受賞したのが標題の作。ホラー小説大賞の各賞受賞作はあまりハズレがないので、ついつい買ってしまいます。

しかしながらこの作品集は「ホラー」というよりも「不条理」とか「奇妙な味」と形容されるジャンルではなかったかと思います。背筋がゾクゾクする、というよりは日常と紙一重ながら、決してありえない世界を描いています。

表題作の「穴らしきものに入る」からして「不条理」。主人公はある日突然穴のようなものならなんにでも入れることに気付いてしまいます。設定は突飛ですが、「だからなあに?」で済んでしまうお話じゃねーのとも言えます。ユーモラスな面白い作品に仕上がってはいるのですが、「恐怖」を楽しむことは出来ませんでした。

このユーモアに満ち溢れているところがこの作者の特色だし、アドバンテージでもあるのですがね。『エムエーエスケー』なんてのは考えようによっては非常に怖い作品です。顔の皮膚が際限なくむけてしまう奇病が流行する。病もさることながらこういう事態で一番怖いのは民衆に巻き起こるパニックと、そのパニックが引き起こす「魔女狩り」すなわち罹患者への差別(ひどい場合には虐殺)です。しかし、際限なくむける顔の皮膚は次から次へとプロレスラーのマスクやら獅子頭などに変わるのです。場面を想像すると恐怖より先に笑いが来てしまいますね。登場してくる子供たちは病の深刻さなんかものともせずに次々変わる顔を楽しんでいるようにすら思えます。

実はこうした「不条理」さ、私は嫌いではありません。むしろ好みのテイストです。今後作者国広氏がどのような作品をつむぎ出していくのか、注目していきたいと思いました。


プロ野球の職人たち (光文社新書)

二宮 清純 / 光文社

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スポーツライターとして、幅広い守備範囲を持つ二宮清純氏のルポルタージュ集。いわば二宮氏が選ぶベストナインに加え、コーチ、スカウト、フロントといった裏方や、果てはアンパイヤに至るまでそれぞれ「職人技」を持った人物を取り上げています。

一番印象に残ったのは「おかわり君」こと西武の中村剛也選手ですね。入団当初はカラダのでかさだけが売り物でしたが、いまやパリーグを、いや日本球界を代表する長距離砲として押しも押されぬ存在感を持つに至りましたね。今年はちょっと調子が悪いようですが、昨年「飛ばないボール」が採用されてからも、彼の飛距離だけは影響を受けていないように感じました。

彼の特長は前捌きにあるそうです。すなわち、重心を後ろ足である右足に置き、その前まで引き付けて打つのではなく、左足の前で捌く。お遊び程度の野球経験しかない私には今ひとつわからない感覚なのですが、この打法を会得した事により、一挙にブレイクしたそうです。

それから「代打屋」こと元阪急の高井保弘選手。27本という代打本塁打は世界記録だそうです。一振りに賭けた彼の職人技は「観察」。とにかく対戦するピッチャーの一挙手一動足をすべて観察し、その動きをすべてメモして癖を見抜き、投球を読んで打つ。プロで活躍できる選手というのは多かれ少なかれ目に見えないところで努力しているものだ、ということを改めて認識させてもらいました。

招き猫投法と名付けられているロッテの成瀬投手。彼もまた球持ちの長い、球の出所がつかみにくい投手なのだそうです。球はたいして速くないし、球種も少ないのに何故か打てない。元阪急ー阪神の星野、MLB入りした元ホークスの和田に連なる「変則的本格派」の系譜に連なる投手です。気のきいた高校生なら軽々とクリアしてしまうような球速で打者を牛耳る…、職人と呼ぶにふさわしい技術の持ち主ですね。

なかなか面白いルポ集でした。まだまだ隠れた職人はいるでしょうし、これからも現れるでしょうから、二宮氏には引き続きそうした職人たちの「発掘」をお願いしたいものですね。

原作の漫画が大ヒットし、勢いに乗って映画化した標題の作、観に行ってきました。興行収入も上々のようですね。鑑賞当日も22:00からの上映だというのに席は8割方埋まっていましたし、24時過ぎからの上映まで設定されています。

さて、ストーリー。主人公はローマ帝国の浴場設計技師ルシウス(阿部寛)。彼は、自分の設計した浴場(テルマエ)が受け入れられずに悩み、失業の危機に直面してもいました。そんな彼はある日、ちょっとしたきっかけで、現代日本にタイムスリップしてしまいます。そこで見たさまざまな知識をローマに持ち帰り、その知識を活かして設計したテルマエが大ヒットし、ルシウスはどんどん出世し、ついには時の皇帝ハドリアヌスと直接面会できるまでになります。そしてルシウスは皇帝の後継者争いに巻き込まれて行く…。

原作のエピソードを巧く実写化しており、上映中はクスクス笑いが絶えませんでした。漫画のキャラクターを実際の役者が演じると、どうしてもイメージにズレを生じてしまうのですが、この作品は比較的そのズレ幅が小さかったように思います。あまり違和感を感じずにストーリーに集中できました。

原作には登場しない、明らかに作者の分身と思われる女性(上戸彩)が出てきて、ラブストーリーに発展しそうなところで発展し切らないという結末も自然な感じでした。映画化の際にありがちな無理矢理なストーリーねじ曲げがなかったところにも好感を覚えましたね。

現在のところコミックスの方は第4巻まで刊行されていますが、映画は一旦ストーリーが完結しています。でも多分コミックスが続くなら映画も続編が作られるでしょう。この作品に限っては続編があれば観てみたい気もします。当然コミックスは読み続けますよ。

底抜け合衆国: アメリカが最もバカだった4年間 (ちくま文庫)

町山 智浩 / 筑摩書房

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バカ息子ブッシュが二期目の大統領を務めていた時期のアメリカの実情を描いたルポルタージュ。

日本でも小泉純一郎があちこち引っ掻き回すだけ引っ掻き回していた時期です。

当時のアメリカは9.11の同時多発テロの影響をもっとも色濃く引きずっていた時期でした。その結果、諸悪の根源とされたイラクにほとんど言いがかり同然で乗り込んで行った行為は賞賛されこそすれ、ほとんど批判されませんでした。イラクへの派兵に批判的な論調はすべてのマスコミが握りつぶしたからです。唯一映画という表現形式でブッシュを批判したマイケル・ムーアはそれこそ毎日命の危機にさらされていました。ブッシュ支持派が大勢押し掛けてムーア氏の映画を上映しないよう迫った映画館もあったそうです。

日本人も大概付和雷同性の高い国民だと思っていましたが、アメリカってのも極端ですね。一度悪のレッテルを貼ったものに対しては容赦せずに徹底的に殲滅する。のみならず、反対意見は表明すら出来ない。言論の自由は一体どこに行ってしまったんでしょうか?人種のるつぼといわれるほどの様々な人種が集まっている国だというのに、多種多様な価値観が併存するどころか、ナチスもかくやと思われるほどの全体主義。こういう国が世界随一の軍事力を持ち、「世界の警察」を自認している…、怖いオハナシです。一度アメリカに楯突いたが最後、一気に世界の敵とみなされて総攻撃をされてしまう事だってありうるのですから。

それにしてもなんでアメリカの国民はブッシュなんかに国を任せてしまったのでしょう?イスラム勢力に一定のダメージを与える事は出来たかもしれませんが、経済は破綻し、社会のあちこちの小さなほころびがどんどん拡大していってしまっています。でも当のブッシュはもうさっさと引退してテキサスでのんびり馬の尻を追いかけている始末。確かにあの時期のアメリカは世界の歴史に残るほどのバカ国家でした。


夏本番を思わせる強い日差しの中、5/13(日)に今シーズン公式戦第二戦目を戦いました。本来ならば、GWの最終日に行われるはずだったのですが、前日まで降り続いた雨の影響でグラウンドが使用不可となり1週間延期されたというわけです。6日の試合を想定して7日に通院のための休暇を入れていた私は、少々きつい週明けを過ごす羽目になってしまいました。
試合が行われたのは、熊谷にある荒川の河川敷。ラグビータウン熊谷だけあって、青々としたいいグラウンドでした。シャワーなどの施設が整っていないのが玉に瑕ですが、グラウンドそのものは今まで試合した中では一番よい部類に入ります。



当日私は先発→前半で交代を言い渡されていました。昨年、背中の怪我をした試合から考えると約半年ぶり。当然のことながらガチンコスクラムもそれ以来です。ここ二ヶ月のトレーニング内容を考え合わせれば、カラダに不安は無いはずだと思いながらも、こればっかりは相手とカラダをぶつけ合ってみないとわかりません。

試合は風下のマイボールキックオフで開始。開始早々相手ボールラインアウト。事前のスカウティングで相手のサインを読んでいましたが、その通りにプレーしてきました。すなわち一番前に並んでいる、でかいプレーヤーに投げるというサインで実際にそいつにボールが投げられ、突進してきたのです。私はスローワーの位置で待ち構えていて、思いっきり正面から体当たりしてその場で止めました。これで一気にカラダに血がめぐり始めましたかね。

しかしながら、風下のために相手キックが伸び、そのキックを取り損ねたミスを衝かれ先制トライを許してしまいます。「格下」相手に少々イヤな流れ。

私の最大の関心事であり、かつチームから期待されているのもスクラム。傷めた背中も膝も少々気になりましたが、実際にスクラムの体制に入ったらそんなことは一切頭の中から吹き飛んでいました。で、相手を圧倒。こいつは楽勝だ、と思った瞬間から敵ボールはとにかくプッシュ。相手ボールを奪うなどの壊滅的打撃は与えられませんでしたが、心理的に優位に立てたのと、FWにボディーブローを叩き込み続けることはできたと思います。

試合は相手DFラインの内側の甘さをついたゲインから一気にトライを奪い、ゴールも決めて逆転。その後ゴール前7mくらいの地点で相手が反則を犯し、マイボールとなります。

「ここはスクラムだろう?」「ST(スクラムトライ)狙いですね」「よし、わかりました」FW全員の意思を一致させ、スクラムを選択。ボールイン後、ゆっくりと確実に歩みを進めていきます。相手のスクラムが崩れ、一気に地すべり的になだれ込もうとしたその瞬間、№8の足元からボールがポロリとこぼれ、相手に確保されてしまいます。「何でだよ?」という疑問をぬぐいきれないまま、それでもDFラインに戻りかけた瞬間、ボールを確保していた相手プレーヤーがあせったのかメクラパス。ゴール前を転転とするボールをウチのチームのSOが拾い上げてそのままトライ。当初の目論見とはちょっと違いましたが、目的は達成しました。ゴールも成功14-5とリード。

その後ゴール前のマイボールラインアウトから、モールを形成して押し込み、今度はトライ奪取。まさになだれ込むという表現がぴったりくる力強いモールでした。

前半最後の最後、相手チームで一番デカイ奴が突進して来ました。何とか止めようとしたのですが、そいつは正面からは当たってこずに、カラダをずらして味方にパスし、そのままトライを奪われてしまいます。相手の方が若干すばしこかったとはいえ、あれは止めていないといけないプレーでした。痛恨のタックルミス。ゴールは決まらず19-10で前半終了。同時に私の出番も終了。残尿感のような気分の悪さが残るラストプレーでした。

後半は先にポンポンと2本トライを取ったのですが、その後がよくなかった。DFの足が明らかに鈍くなってましたね。後半の後半は終始守勢一方。外から見ていて、もう少し接点でコンテストしてもよかったのではないかと感じましたが、まあ、そもそも接点に追いついている人間が少なかったというのも事実です。下手にコンテストに固執して体力を消耗させるより、相手に出させて、適当なプレーヤーを潰す、というのが事前の決め事で会ったということもありますがね。でも、遠くから眺めていても、もうちょっとがんばればボールが取れたのに・・・という場面が少なからずありました。

そんなこんなで相手に追いすがられ2トライ2ゴールを返されてしまいます。最後は何とかしのぎきりましたが、スコアは31-24。終始優位に試合を進めていた割には競った結果になりました。

なんにせよ、勝つというのはうれしいものです。ここ数ヶ月のいろいろなモヤモヤが一気に吹き飛んだような心持でした。

しかし、大会はまだこれからです。次回の試合も含め、そこまでは勝って当然の相手。我々の目標は、その後の決勝トーナメントを勝ち抜いて、一部に昇格すること。その意味で、今回は反省点が多々あります。油断は大敵。次回の試合も気を引き締めて勝ちに行きます。私も半分とは言わず、なるべく長い時間出られるよう自主トレに励みたいと思っております。